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8. JLPT N1
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JLPT N1 Tests |
| https://japanesetest4you.com/japanese-language-proficiency-test-jlpt-n1-reading-exercise-01/ Reading Passage 1 人生というものには、いろいろな問題があります。しかし、それらのことも過ぎ去ってみると、あのときに迷わないでやってほんとうによかったな、というような場合が多いのです。そこが大事なところだと思います。ある場合には迷うこともあるでしょう。しかし、しょせん迷ってもお互い自分の知恵裁量というものは、ほんとうは小さいものです。だから、「これはもう仕方がない。ここまでできたのだからこれ以上進んで結果がうまくいかなくても、それは運命だ」と度胸を決めてしまう。そうした場合には、案外、困難だと思っていたことがスムーズにいって、むしろ非常によい結果を生む、ということにもなるのではないかと思うのです。 1. 筆者がここで最も言いたいことは何か。 うまくいかない場合は一人で迷うより、みんなの知恵を借りたほうがいい。 人生においてしかたないとあきらめることもいい結果をもたらす場合がある。 人生は心の持ちようで以外にうまくいく場合もある。 難しい問題に遭っても迷わず実践することが大事だ。 Reading Passage 2 日本人に個性がないということはよく言われていることだけれど、今世界的に、1 週間、或いは年間にどれだけ働くか、ということについて、常識的な申し合わせが行われていることには、私はいつも違和感を覚えている。 私は毎年、身体障害者の方たちとイスラエルやイタリアなどに旅をしているが、一昨年はシナイ山に登った。盲人も6人、ボランティアの助力を得て頂上を究めた。普段、数十歩しか歩けない車椅子の人にも、頂上への道を少しでも歩いてもらった。障害者にとっての山頂は、決して現実の山の頂きではない。もし普段100 歩しか歩けない障害者が、頑張ってその日に限り、山道を200 歩歩いて力尽きたら、そここそがその人にとっての光栄ある山頂なのである。 人間が週に何時間働くべきか、ということにも、ひとりひとりの適切な時間があると思う。労働時間を一律に決めなければならない、とするのは専門職ではない、未熟練労働に対する基準としてのみ有効である。未熟練労働者の場合は、時間あたりの労働賃金をできるだけ高くし、それによって労働時間を短縮しようとして当然である。 しかし、専門職と呼ばれる仕事に従事する人は、労働報酬の時間あたりの金額など、ほとんど問題外だ。私は小説家だが、小説家の仕事も専門職に属するから、ひとつの作品のためにどれだけ時間をかけようと勝手である。短編をほんの2、3 時間で書いてしまうこともあるし、10 年、20 年と資料を集め調べ続けてやっと完成するものもある。ひとつの作品に私がどれだけの時間や労力や調査費をかけようが、昼夜何時間ずつ働こうが、それは私がプロである以上、自由である。 日本の社会の中には、職場の同僚がお互いに牽制するので、取ってもいいはずの休みも取れない人が確かにかなりいる。小さな会社の社長に頼みこまれると、したくもない残業をしなければならなくなる社員もいる。そうしないと会社が潰れて失職をすることが目にみえているからである。その結果「過労死」などということも稀には起きることになる。 しかし日本人のなかには、仕事が趣味という人も実に多い。ブルーカラーと呼ばれている人たちの中にさえ、どうしたら仕事の能率が上がるか考えている人はざらである。趣味になりかけているものが、たまたま会社の仕事だから、時間が来たら帰らねばならない。それはプロの楽しみを妨げることであって、一種の個人の自由の束縛というものである。 ただそれほど働きたくない人は仕事をしない自由を完全に守れるように、社会は体制を作り変えるべきである。しかし同時に、一律に休みを取れ、というような社会主義的発想はいくら世界の流行だとはいえ、自由を手にしている人間に対しては個人への干渉であり、非礼である。 2. 違和感を覚えているのはなぜか。 世界的に労働時間が決められているから。 適切な労働時間は人によって異なるから。 日本人は時間にきびしいから。 日本人は働きすぎるから。 3. 筆者は障害者にとっての山頂とはどこだと言っているか。 現実の山の頂き シナイ山の山頂 力尽きたところ 普段どおりに100歩歩いたところ 4. 筆者は、プロの楽しみとは何だごと言っているか。 仕事と趣味を両立させること 社長に頼みこまれて残業をすること 専門家として小説を書くこと 納得した仕事をするために時間をかけること 5. 筆者の考えに合っているものはどれか。 仕事が趣味の人も、時間がきたら仕事を止めて帰ったほうがよい。 職場の同僚に遠慮せずに、休みはできるだけ取るべきだ。 長時間働くのも、あまり仕事をしないのも、個人の自由だ。 労働時間の短縮は世界の流行だから、日本人ももっと休むべきだ。 Answer Key: Question 1: 4 (筆者がここで最も言いたいことは何か。=> 難しい問題に遭っても迷わず実践することが大事だ。) Question 2: 2 (違和感を覚えているのはなぜか。=> 適切な労働時間は人によって異なるから。) Question 3: 3 (筆者は障害者にとっての山頂とはどこだと言っているか。=> 力尽きたところ ) Question 4: 4 (筆者は、プロの楽しみとは何だごと言っているか。=> 納得した仕事をするために時間をかけること ) Question 5: 3 (筆者の考えに合っているものはどれか。=> 長時間働くのも、あまり仕事をしないのも、個人の自由だ。) ----- https://japanesetest4you.com/japanese-language-proficiency-test-jlpt-n1-reading-exercise-02/ Reading Passage 1 混み合ったコンパの席で友人と話をしているとき、耳に入ってくるのは友人の声だけではない。周囲で交わされる会話や食器のぶつかる音があり、BGM さえ流れている。そんな喧噪(けんそう)の中でも、友人の話に耳を傾け、その内容を理解することが可能である。このような例をあげるまでもなく、私たちの耳には通常たくさんの情報が同時に入力されている。それでも私たちが混乱しないのは、注意を選択的に振り分ける選択的注意ができるからである。注意を向けられた情報は深い処理を受け、そこで初めて理解されることになる。 しかし処理されているのは注意を向けられた情報だけではない。友人の話に耳を傾けていても、BGM がピアノからギターに変われば、その音色の変化に気づくし、他の人から自分の名前を呼ばれたことにも気づく。この場合の情報処理は、意図的な制御を受けない自動的処理である。ここでは情報の物理的な特徴(声の質、口笛などの信号、名前など)が処理され、情報内容の深い理解は伴わない。これに対して、喧噪の中で友人の話が理解できるのは、注意的処理とよばれ、情報処理の意図的な制御を行っている。注意的処理では、記憶構造内の知識が検索され、情報の深い理解を可能にしているのである。 1. そんな喧噪の中でも、友人の話に耳を傾け、その内容を理解することが可能であるというのは、なぜか。 友人の話に対して「自動的処理」をするから。 周囲の声や音に対して「選択的注意」ができるから。 友人の話以外の声や音は、耳に入ってこないから。 友人の声と他の音は、質が異なっているから。 2. 深い処理を文章中の別の言葉で言い換えると何か。 選択的注意 自動的処理 物理的処理 注意的処理 3. 自動的処理の例はどれか。 喫茶店で本を読んでいるとき、店員が話しかけてきたことに気づくこと 外国語の新聞を読んでいるとき、わからない言葉を辞書で調べること コンサートで流れている音楽に合わせて一緒に歌うこと 友人と話しているとき、友人の話をメモすること Reading Passage 2 人間の潜在力をONにするには、プラス発想や積極思考など前向きの精神状態や心の持ち方が大きく作用しているといいます。思いの力がわたしたちの可能性をおおいに広げてくれるということが、遺伝子レベルで解明されはじめているわけです。 ?_______、どれくらいのことが人間に可能なのか。人間の頭で、これをしたい、こうあってほしいと考えられるようなことは、遺伝子レベルでみれば、たいてい可能な範囲にあるそうです。つまり、「思ったことはかなえられる」能力が、わたしたちの中には潜在しているのです。 4. 文の ?_______ に入る最も適当なものはどれか。 ちなみに もっとも たとえば すなわち Reading Passage 3 ちかごろ、速読術などという言葉、その訓練の方法の話をきくと、古風な人間である私はカッとなる。そういう習練をする暇があったら一本をよむにこしたことはない。つまらない本に時間をかけるのは愚かなことだし、丹念によまねばならぬ本をすばやくよむのは、さらに愚かなことだ。そういう差別は種々の本を読むことによってしか覚えられぬものであろう。 5. そういう差別とはどんな差別か。 本を読むときに速読術を使うべきかどうかという差別 本を読むべきか速読術を習練するべきかという差別 速読術で読む習練をするべきかどうかという差別 すばやく読むべきか丹念に読むべきかという差別 Answer Key: Question 1: 2 (そんな喧噪の中でも、友人の話に耳を傾け、その内容を理解することが可能であるというのは、なぜか。=> 周囲の声や音に対して「選択的注意」ができるから。) Question 2: 4 (深い処理を文章中の別の言葉で言い換えると何か。=> 注意的処理 ) Question 3: 1 (自動的処理の例はどれか。=> 喫茶店で本を読んでいるとき、店員が話しかけてきたことに気づくこと ) Question 4: 1 (文の _______ に入る最も適当なものはどれか。=> ちなみに) Question 5: 4 (そういう差別とはどんな差別か。=> すばやく読むべきか丹念に読むべきかという差別 ) ------------ https://japanesetest4you.com/japanese-language-proficiency-test-jlpt-n1-reading-exercise-03/ Reading Passage 1 A 日本では周囲と協調するように教育され、年長者に対して従順(じゅうじゅん)に、調和状態を壊さないようにする。しかし実際は、人間は独自の感覚や思考を持つのが当然で、他者と考え方が異なるのは自然なことなのである。これを無理に押さえつけようとすると、心理状態が正常に保てない場合がある、。考えの異なる他人と上手に意見交換するということは、重要なことなのだ。この技術は、訓練されずには得られないものである。そこで私は、日本の学校教育でディベートを取り入れることを提案したい。自分の意見をきちんと相手に伝え、反論を聞き、整理し、ポイントを見つけ、さらに説得していく過程で、参加者は意見交換の重要なテクニックを学ぶ。また、感情的にならず冷静な態度を保ち続ける訓練も、ディベートを通してできるはずである。 B ディベートが基本的に勝ち負けを決めるタイプの討論であることを考えると、日本の学校教育で採用することには疑問を感じている。自分の意見を述べたり相手の意見を聞いたりするという行動は言うまでもなく重要であり、その資質を養う必要があるが、その方法としてのディベートには無理がある。なぜなら、日本社会の根底に、人は他者の気持ちを考えるべきだ、争いは避けるべきだ、という考えがあり、争って勝ち負けを決めるタイプのディベートはそれと矛盾しているからである。議論で勝負するのではなく、互いの意見を認め合いながら弱点を補ったり譲り合ったりしながら、協力して新しい考え方をつくっていくブレーン・ストーミングのような討論のほうが適当であると思う。 1. A、Bが共通して言っていることは何か。 日本社会でディベートが受け入れられるのは難しいだろう。 ディベートでは意見交換のテクニックを学ぶことはできない。 他者との意見交換は重要で、そのための訓練か必要である。 以前の日本では協調性が重視されていたが、最近は変化している。 2. 二つの意見を正しく説明しているのはどれか。 A:ディベートにより意見交換の重要なテクニックが学べる。 B:ディベートではなく協力し合うタイプの討論方法がいい。 A:日本人が周囲との調和を大切にしていることはすばらしい。 B:常に他者の気持ちを考える日本人の資質は、問題がある。 A:ディベートには長所も短所もあるが、日本の学校教育では必要ではない。 B:ディベートは多くの長所があり、日本の学校教育で必要だ。 A:ディベートでは進め方や勝負の決め方を知っておく必要がある。 B:日本でディベートを取り入れるにはさまざまな方法がある。 Reading Passage 2 人間には四種類ある。過去の思い出に生きる人、未来に生きる人、現在に生きる人、その他だ。 わたしは「あのときこう言い返せばよかった」とよく後悔するから過去に生きているのかとも思うが、過去の思い出にひたることはないし、「思い出づくり」にも興味がない。過去の栄光も意識に上らない(過去の栄光がないかもしれない)。第一、過去に目を向けることがない。人に自慢しようとして、自慢できるところが現在の自分に見当たらず、過去の中に無理やり探すときぐらいだ。___1___ 、つらい出来事はずっと尾を引く。先日、失意の底に沈んだときは、立て直るのに二日かかった。たぶん過去のことは二日経つと他人事に思えるのだ。 未来はどうか。わたしはよく、流暢に話せないのではないかなどと未来に不安を抱くし、食事でも、好きな物が最後に残るよう計画的に食べるから、未来に生きていそうだが、そうとも思えない。たとえば、未来のために健康診断を受けたほうがいいと思うが、検査は極力避けている。仕事も、今日できることを一日延ばしにして、結局、約束が守れず謝罪する。計画は立てるが、計画性がないのだ。万事、行き当たりばったりだ。 学生時代、進路を哲学に変えたときもそうだった。当時は就職難で、大学院に行くと就職はまず無理だったが、決断には何の迷いもなかった。親から、哲学に進むなら仕送りをやめると脅されても、生活のあてもないまま、まったく動じなかった。わたしが楽天的だからではない。たんに先のことが他人事としか思えないのだ。 自分の未来は一日で十分だ。わたしは人生が何百年もあればいいのにと願っているが、人生のうち、___2___ 人生だと思っているのは今日一日と過去二日と未来一日の余計四日日間だけだ。 3. ___1___ に入る最も適当な言葉はどれか。 むろん しかし すると そうして 4. 「万事、行き当たりばったりだ」とは、どういう意味か。 人生において後悔することはあっても、過去に目を向けることはない。 人生においていろいろなこおは他人事だと考え、楽観的に行動する。 人生において先のことを深く考えずに状況に応じて適当に処理する。 人生において周りに反対されても、自分で決断を信じて信念を曲げない。 5. ___2___ に入る最も適切な言葉はどれか。 後悔のない 充実した 自分の 幸せな Answer Key: Question 1: 3 (A、Bが共通して言っていることは何か。=> 他者との意見交換は重要で、そのための訓練か必要である。) Question 2: 1 (二つの意見を正しく説明しているのはどれか。=> A:ディベートにより意見交換の重要なテクニックが学べる。 B:ディベートではなく協力し合うタイプの討論方法がいい。) Question 3: 1 ( ___1___ に入る最も適当な言葉はどれか。=> むろん ) Question 4: 3 (「万事、行き当たりばったりだ」とは、どういう意味か。=> 人生において先のことを深く考えずに状況に応じて適当に処理する。) Question 5: 3 ( ___2___ に入る最も適切な言葉はどれか。=> 自分の ) ----------- https://japanesetest4you.com/japanese-language-proficiency-test-jlpt-n1-reading-exercise-04/ Reading Passage 1 ある有名なインタビューアーが、「いろんな人に会わなくちゃならなくて、たいへんですね。いい人、好きな人だけじゃなくて、いやな人、きらいな人もいるでしょうに」と言われて、「いいえ、はじめから好きな人、きらいな人、ということはありません。はじめは虚心(注1)でその人に会うようにしています。最低限、その人に好意と関心をもつようにして」と言っていたのが印象的である。 私たちは、人に聞いたことや、会ったときの印象で、ある程度、相手の人がらを決めてしまいがちである。 その人の容貌や服装やからだの特徴や、ことばづかいや動作や姿勢、さらにまた、職業や年齢や出身、経験、社会的地位などといったものからでも、どんな人か、何らかの先入主(注2)を抱く。出会ったときの、自分側の条件や、その場面にもよるわけだが、そういうことを割り引いて、冷静に考える人はまれで、たいていは、自分のこれまでの体験から、あれはこういう人だ、というイメージをつくり上げる。過去の経験で似た人がいれば、その人の印象が重なってくる。意識的に払いのけようとしても、この第一印象は、強い影響をあとに残す。 (中略) 結婚のための見合いのような場合、内心強い劣等感を持っていて、きらわれるのではないかという恐れを抱いていると、相手に対する見方にも、バイアス(かたより)が生ずる。畏怖(注3)して、相手が実物以上によく見えたり、逆に、反動的に、なにかにつけて、わるく、低く見ようとしたりする。 人生、はじめての出会いは、すべて、見合いみたいなものだが、身がまえてコチコチになっていると、相手の姿が正確に見えない。特に利害がからむと、バイアスがかかりやすく、かたよった先入主を抱きがちである。ずるそう、おっかなそう、きつそう……など。それは、多分、自分側の気持ちを、相手のイメージに投影しているのである。 身がまえることなく、相手を受けいれることが、いかに難しいか。自己防衛的な身がまえは、相手に対して、ドアを閉じようとしている姿勢である。ある有名なインタビューアーが言ったように、自分の心のドアを開け、人に接しようとする心がけが必要である。パッと見た瞬間の印象にとらわれたり、こだわったりすると、人間関係は玄関先でギクシャクする(注4)。 (注1)虚心:先入観なく相手をありのままに受け入れる心 (注2)先入主:先入観 (注3)畏怖:おそれ (注4)ギクシャク:物の動き、人の言動、人間関係が円滑でないさま 1. 印象的であるとあるが、何が印象的だったのか。 いろいろな人に会うのは大変だ、と言ったこと いやな人、きらいな人もいる、と言ったこと 人の好ききらいはない、と言ったこと だれにでも初めは虚心で会う、と言ったこと 2. 「身がまえてコチコチになっている」というのは、どういうことか。 作り上げたイメージを払いのけようとしている様子 相手がこわそうなので、びくびくしている様子 相手に対して心を開けず、自分を守ろうとしている様子 相手がもっている先入観をくずそうとしている様子 3. 「自分側の気持ちを、相手のイメージに投影している」例として適当なものはどれか。 自分に自信かないと、相手が自分をばかにしているように感じる。 自分がさびしいときに相手が楽しそうにしていると腹が立つ。 自信過剰な人を見ると、心配になり、注意したくなる。 相手が自信がなさそうだと、自分に自信がわいてくる。 4. この文章で筆者が最も言いたいことは何か。 先入観と第一印象は人を判断する時に大きく影響する。 相手に対する先入観なしに自分の心を開くことが大切だ。 第一印象は、その人を判断するのに、全く役にたたないものだ。 人間関係は、まず相手のイメージを作りあげることから始まる。 Reading Passage 2 ある医者から聞いた話だが、薬物依存の患者に、本物そっくりの薬を渡すと症状が落ち着くことがあるという。その後、「薬がなくても大丈夫」と説明すると、薬から離れるきっかけになるというのだ。これは治療の一環として行われるそうである。 こんなことができるのは、患者が、にせの薬を「本物の薬」と思いこむことで効果が現れる「プラセボ効果」が存在するからだ。 昔から、珍しい植物とか、動物の骨とかが難病に効くという話がよくある。成分からすると効くはずのないものが長く薬として使われた背景には、プラセボ効果があるとみられる。 5. 次のうち、プラセボ効果に相当するのはどれか。 お守りがあると、テストでほんとうにいい点が取れることがある。 乗り物酔いに効くと言われて梅干しをお茶に入れて飲んだら酔わなかった。 マラソンをしているとき、応援されると急に足が軽くなることがある。 薬を飲まなくても食事を改善することで病気が治ることがある。 Answer Key: Question 1: 4 (印象的であるとあるが、何が印象的だったのか。=> だれにでも初めは虚心で会う、と言ったこと ) Question 2: 3 (「身がまえてコチコチになっている」というのは、どういうことか。=> 相手に対して心を開けず、自分を守ろうとしている様子 ) Question 3: 1 (「自分側の気持ちを、相手のイメージに投影している」例として適当なものはどれか。=> 自分に自信かないと、相手が自分をばかにしているように感じる。) Question 4: 2 (この文章で筆者が最も言いたいことは何か。=> 相手に対する先入観なしに自分の心を開くことが大切だ。) Question 5: 2 (次のうち、プラセボ効果に相当するのはどれか。=> 乗り物酔いに効くと言われて梅干しをお茶に入れて飲んだら酔わなかった。) ------------- https://japanesetest4you.com/japanese-language-proficiency-test-jlpt-n1-reading-exercise-05/ Reading Passage 1 三匹の猫を飼っている。猫にはとにかく驚かされることばかりだ。こちらの精神状態がよければ彼らは限りなくリラックスし、外出すが続いて忙しくてかまってあげられなくなったりすると、途端にグレてわるさをする。いらいらしている時は、わざとわたしの足を踏んづけて歩いたりもする。押入れからバックバックを取り出して旅行の準備をし始めると、不機嫌になって、一晩家出をしたり抗議のハンストをしたりする。わたしの状態や行動に座即に反応を示す。猫の立場に立って、そこから見える世界を想像してみると、自分が見ている世界のあやふやさがあぶり出されることがある。 ある日、ライオンの子育て番組を見ていた時のことだ。画面にはしまうまを襲ったライオンが肉を食いちぎっているシーンが映し出されていたが、二匹の猫はテレビの前に寝そべり、映像には目もくれず、互いの体を舐めあっていた。 彼らは時としてテレビに敏感に反応する。テレビで生まれたばかりの仔猫の様子を映していた時、出産経験のある「うるるる」と鳴き、テレビの後ろへ仔猫を探しに行った。時々小鳥やねずみを手土産に持ち帰る狩りの名手、「ゆき」は、画面が鳥の群れを映し出した途端、テレビに飛びついて鳥を捕まえようとした。しかしオリンピックの時には斜面を猛スピードで降りてくる滑降の選手に飛びついていたし、サッカーの試合を見ている時は右へ左へ転がるボールを選手と一緒に追いかけていたから、あまり物事を深く考えて行動しているわけではなさそうだ。 そんな彼らが、百獣の王であり、自分と同じ科に属するライオンの声や映像にはまったく反応を示さない。それがわたしにはとても _______ に映った。 彼らは、地上にライオンという動物が存在することを知らないのだ。ライオンも象もパンダも猿も知らない。会ったことがないのだから。自転車と自動車は知っているが、電車や飛行機、船は知らない。まして戦闘機など。世界には海や山や山があることも、そして海の向こうには外国、空の向こうには宇宙が広がっていることも知らない。 でもわたしは本当にそれを知っているのだろうか。 わたしがもし「ライオンを知らない」といったら、多くの人がへんな顔をするだろう。いつ、どのように自分がライオンを認識するようになったのか、残念ながら記憶にない。おそらく最初は絵か写真で姿形を見せられ、実際に動物園で本物を見て認識に到達したのだと思う。つまりわたしは学習して情報を持つがゆえに、「ライオンを知っている」と錯覚してるだけだ。 わたしはライオンを知らない。イラクで毎日人が死んでいることも知らない。 知っているのは、目の前で寝る猫達が愛らしいということだけだ。 1. 「猫の立場に立って、そこから見える世界を想像してみると、自分が見ている世界のあやふやさがあぶり出されることがある」とあるが、筆者が言っている「自分が見ている世界」とは、どういうことか。 学習で得た知識などで、体験しなくても知っていると思う世界。 情報や知識にすぎないことも、知っていると勘違いする世界 動物の知能よりはるかに発達した人間特有の想像の世界 自分の五感で体験した実感としての世界。 2. _______ に入る最も適当な言葉はどれか。 普通 奇妙 斬新 当然 3. 「イラクで毎日人が死んでいることも知らない」とあるが、筆者のどんな気持ちが表れているか。 ニュースや映像などの報道は事実と異なるところがあるので、簡単に信じてはいけないという筆者の思い 人間は現実主義で、国際的なニュースよりも自分の身近で起きる日々の暮らしの中のことがもっと大事だという筆者の思い 事実は知っていても実際の体験がないわけで、簡単に知っているとはいえないのだという筆者の思い 人間の目に見える世界は情報で得た知識で成り立つ場合が多く、それを克服するためにはもっと現場での体験を大事にすべきだという思い 4. 本文の内容と合っているものはどれか。 猫に見える世界=猫が知らない世界 人間に見える世界=人間が知っている世界 猫に見える世界 ≠ 猫が知っている世界 人間に見える世界 ≠ 人間が知っている世界 Reading Passage 2 衝突することを恐れていたのでは、他人と親しくなることができない。人間はお互いにからり親しくなっても、お互いを完全に理解できるものではない。理解しているつもりでも誤解していることはあろう。そして、衝突することを恐れていると、その誤解がとけないまま関係が維持されることになる。相手のやることで何か不愉快なことがあった時、もし本気で親しくなろうとすれば、それをはっきりという方がいいだろう。相手は不愉快だといわれてはじめて、なぜ自分はそれをしたか、ということが説明できる。 5. 筆者がここで最も言いたいことは何か。 お互いの誤解を避けるために、距離をおいてつきあった方がいい。 相手の人と親しくなるにはもっと相手のことを理解しようと努力するべきだ。 お互いの意見が違っていても素直に打ち明けることでよい関係が築ける。 不愉快に感じることで誤解が生じる恐れがあるので、はっきり言わないといけない。 Answer Key: Question 1: 2 (「猫の立場に立って、そこから見える世界を想像してみると、自分が見ている世界のあやふやさがあぶり出されることがある」とあるが、筆者が言っている「自分が見ている世界」とは、どういうことか。=> 情報や知識にすぎないことも、知っていると勘違いする世界 ) Question 2: 2 ( _______ に入る最も適当な言葉はどれか。=> 奇妙 ) Question 3: 3 (「イラクで毎日人が死んでいることも知らない」とあるが、筆者のどんな気持ちが表れているか。=> 事実は知っていても実際の体験がないわけで、簡単に知っているとはいえないのだという筆者の思い ) Question 4: 4 (本文の内容と合っているものはどれか。=> 人間に見える世界 ≠ 人間が知っている世界 ) Question 5: 3 (筆者がここで最も言いたいことは何か。=> お互いの意見が違っていても素直に打ち明けることでよい関係が築ける。) ----------------- https://japanesetest4you.com/japanese-language-proficiency-test-jlpt-n1-reading-exercise-06/ Reading Passage 1 妻の掃除と整理の仕方、これはもう極端に偏執的である。たとえば自分の好きなところはピカピカ光るほど磨き上げるが、興味のないところは何年もほこりが積み放しになっている。家の中のある部分は精神質なくらい整然と物が並び、だれかが彼女の留守にほんの一ミリほど品物を動かしてもすぐに気づいてしまう。そのかわり、いつも手のつけようもないほどむちゃくちゃにものが突っ込んであるところが家の中に一、二ヶ所は必ずある。 妻のもののしまい方は普通の世間並みとは大分違う。普通の人なら大概たんすにしまう品が食器棚に入っていたり、流しの棚にあるはずのものが冷蔵庫にしまってあったりする。探す以上一応我々の常識と因襲を全部脱ぎ棄てて、白紙にかえって探さねばならぬが、そんなことは容易にできることではない。次に、彼女の物の置き方、並べ方はことごとく彼女の抱いている美の法則によって支配されているので、実用上の便宜というものは ?_______ 。どんな不便を忍んでも彼女は自分の美を守り通そうとする。ときにわたしが抗議を申し込んでみてもとうていむだである。 1. 「白紙にかえって探さねばならぬ」とあるが、どういう意味か。 新しい紙に書きながら探すこと 妻の考え方にそって探すこと 常識的な考えは捨てて探すこと 探すのは無理だと思いながら探すこと 2. ?_______ に入る最も適切なものを一つ選びなさい。 一切無視される 一番大事にされる 多少は考慮する 必要不可欠である 3. 「ときにわたしが抗議を申し込んでみてもとうていむだである」とあるが、それはどうしてか。 彼女は我慢強い人で、家の中のものをすぐ探すことができるから 彼女は神経質で、家のどこもきれいにしておかないと気がすまないから 彼女は自分の美意識を持っており、それを曲げようとしないから 彼女は考え方が普通の人と違うので、家のものは一瞬にして気がつくから Reading Passage 2 始発駅に電車が入ってきて、やがてドアが開くと、ホームに並んでいた客たちは目の色を変えて座席になだれ込む。このホームで並ぶという道徳を守らせているものは損得の判断、つまり知性だと言える。ホームのような場所で利己的に振る舞うことによる身の危険を知性はよく知っている。だから、私たちはホームで行儀よく並ぶ。ドアが開くまでは我慢して並ぶのである。 しかし、ホームで並ぶことと電車で席を譲ることとは本質的に違う。自分の利益を考えて席を譲るのではないし、「お年寄りに席を譲りましょう」という指示に従って譲るのでもない。言葉のない何かしらの内なる声に引っ張られ、人は自発的に席を譲るのである。それは共同体に道徳をもたらす元の力であり、この力にはまだ言葉がない。この力は、「人間が生きていくには共同体が要る」という事実から生まれている。この力は潜在的ではあるが、抽象的ではない。そこから知性を越えた「仲間を助けよう」という本能的な欲求が突然生じるのである。群れの中に生まれ落ちた人間という知性動物の倫理の原液が正にここにある。 4. 「ホームで並ぶことと電車で席を譲ることとは本質的に違う」とあるが、筆者はどのように違うと考えているか。 前者は知性的、後者は本能的 前者は本能的、後者は知性的 前者は利己的、後者は利他的 前者は利他的、後者は利己的 5. それはとあるが、何を指しているか。 知性 損得の判断 内なる声 倫理 6. 倫理の原液とあるが、その説明として正しいのはどれか。 個人の心の中にある社会の役に立ちたいという欲求である。 人を含む生き物が自分の身を守ろうとする自己保存の本能である。 人間という知性動物がもつ、集団に適応しようとする欲求である。 集団を作ってしか生きていけない人間の心に潜む助け合うの欲求である。 Answer Key: Question 1: 3 (「白紙にかえって探さねばならぬ」とあるが、どういう意味か。=> 常識的な考えは捨てて探すこと ) Question 2: 1 ( _______ に入る最も適切なものを一つ選びなさい。=> 一切無視される ) Question 3: 3 (「ときにわたしが抗議を申し込んでみてもとうていむだである」とあるが、それはどうしてか。=> 彼女は自分の美意識を持っており、それを曲げようとしないから ) Question 4: 1 (「ホームで並ぶことと電車で席を譲ることとは本質的に違う」とあるが、筆者はどのように違うと考えているか。=> 前者は知性的、後者は本能的 ) Question 5: 3 (それはとあるが、何を指しているか。=> 内なる声 ) Question 6: 4 (倫理の原液とあるが、その説明として正しいのはどれか。=> 集団を作ってしか生きていけない人間の心に潜む助け合うの欲求である。) --------- https://japanesetest4you.com/japanese-language-proficiency-test-jlpt-n1-reading-exercise-07/ Reading Passage 1 いまの男性の主張はまだ自己表現とは思わない。やっと「表現とは」というスタートラインに立ったところではないか。 表現はコミュニケーションを目的とする。表現が求められるようになった最大の背景は、日本という共同体や家族的な社会という共同体が崩壊したことだろう。年功序列や終身雇用が大前提という共通の文化があれば意思疎通は簡単で、その規範に従っていれば目立つ必要もなかった。 だが ?_______ が失われたいま、あらゆる人間関係で高度なコミュニケーション体力が求められる。演劇でも、文化の異なる人が集まる欧州でも、意思疎通を目的とするワークショップが盛んだ。共通の文化がないなかで、「いいことは黙っていても伝わる」と考えるのは、残念ながら思い込みでしかない。 メッセージをより効果的に伝える手段として、政治家や大企業の社長に発声や魅力的な笑い方などを指導する演出家がつくことは、欧米でもよくある。内容は重視するのに表現のための方法論は非常に軽視してきた日本とは、大きく異なる。 しかし、内容は同じでも間の取り方や声の高さ、大きさなどで、うまい人と下手な人の差は明らか。落語がいい例だ。聞くほうも、内容より話し方や振る舞いといった方法論に説得されることがある。手法の重要性にやっと目が向き始めたということだろう。 1. 本文の _______ に入る最も適当なものはどれか。 自己表現 意思疎通 共通認識 自国文化 2. 「残念ながら思い込みでしかない」とあるが、どういう意味か。 残念なことだが、単なる思い込みである。 残念だと思う必要はまったくない。 残念なことだが、誰もそう思わない。 残念だと思わなくもない。 3. 筆者の考えに一番近いものはどれか。 コミュニケーションの能力はどんな時代においても大事にされている。 日本は自己表現において、もっと方法論を重視すべきだ。 日本社会は共同体が続いているため、意思疎通に大きな問題はない。 表現の内容が同じなら、話し方や振る舞いなどで影響されることはない。 Reading Passage 2 アメリカでは、会社の教育訓練もさることながら、個人が自己投資をして資格や能力を身につけることが多いのに対して、日本では会社の負担による教育訓練の比重が圧倒的に高い。また、賃金も日本ではそのひとの能力や年齢、学歴といったものを基準にして支払われるのに対して、アメリカではそのひとの仕事に対して支払われるのが一般的である。さらに、日本人の多くは、正社員として採用されたときから雇用保障が与えられていると考えるのに対して、アメリカ人は、自分が会社にとって有益な存在となることによって、それを自分でつくりだすものと考える。 4. この文章の内容に合っているものはどれか。 日本では、能力や年齢、学歴といったものを基準に給料を支払い、会社での教育を行わない。 日本では、会社の負担による教育訓練を行うが、採用されたときから雇用保障が与えられているわけではない。 アメリカでは、会社の教育訓練によって実力をつけ、賃金はそのひとの仕事に対して支払われるのが一般的である。 アメリカでは、基本的には個人が自己投資をして資格や能力を身につけ、自分が会社にとって有益な存在となるようにする。 Reading Passage 3 人生は短く、しかも一回限りである。ある人生を生きるということは、他の可能な生き方をすべて断念するということに他ならない。数学と音楽が好きな少年が数学者の道を歩き出す時、彼は音楽家になれば果たせたかもしれないすべての夢を失う。その悲しみは、たとえ彼が数学者としてどんなに輝かしい業績をあげたとしても決して愈されることはないであろう。人が若い時をなつかしく感じるのは、失われた _______ をいとおしく思うからなのではないだろうか。 5. 文の_______ に入る最も適当なものはどれか。 悲しみ 成功 可能性 青春 Answer Key: Question 1: 3 (本文の ________ に入る最も適当なものはどれか。=> 共通認識 ) Question 2: 1 (「残念ながら思い込みでしかない」とあるが、どういう意味か。=> 残念なことだが、単なる思い込みである。) Question 3: 2 (筆者の考えに一番近いものはどれか。=> 日本は自己表現において、もっと方法論を重視すべきだ。) Question 4: 4 (この文章の内容に合っているものはどれか。=> アメリカでは、基本的には個人が自己投資をして資格や能力を身につけ、自分が会社にとって有益な存在となるようにする。) Question 5: 3 (文の可能性に入る最も適当なものはどれか。=> 可能性 ) -------------- https://japanesetest4you.com/japanese-language-proficiency-test-jlpt-n1-reading-exercise-08/ Reading Passage 1 新聞をめくっていたら、こんな広告が目に飛び込んできた。「ほしいものが突然あらわれる。これは不思議なカタログです」 「ほしいものは何ですか」と聞かれても「特にない」と答えてしまう人のために、そのカタログは作られているという。そこに例示されている世界の一流品の写真と能書きを読んでいたら、確かに私も「ほしいなあ」と思った。 「足りないものは何もないはずなのに、次々とほしいものがあらわれる」といったあたり、なかなか正直な広告だ。本来、広告とはそういうものだろう。必要なものは、広告なんか見なくても人は買いもとめる。別に必要じゃない人にまで、なんとなく欲しいと思わせてこそ、広告なのである。 1. そういうものとはどんなものか。 世界の一流品が手軽に買えるもの いつでも必要な品が買えるもの 必要じゃない人にもほしいと思わせるもの 足りない品は何かを教えるもの Reading Passage 2 ボランティア活動は人間だけが持ちうる楽しい特権である。お互いに弱さを持つ人間が身を寄せながら助け合う。他者のニーズを受けて立ち上がるエネルギーを、人間はみな持っている。自分以外のことに自分の能力を使う 。 特権を発揮することは、人間の証である。人間には二つの寿命があり、一つは、自分のためだけの、生物のいのちとしての寿命、もう一つは、人間でなければできないことに使われる寿命なのである。 2. 筆者がここで最も言いたいことは何か。 ボランティア活動は人間の特権なので、弱い人は助けを求めるべきだ。 人間は特権を発揮するためにみなエネルギーを持っている。 いのちのかぎり、弱い立場の人を助けるのが人間である。 人間にとってボランティア活動は生物としての寿命である。 Reading Passage 3 ある本に次のように書かれていた。 「このごろの若者で気に入らないことの一つは、とかく小さく固まりたがることだ。特定の仲間とだけつきあって、ややこしいことを避けたがる。 これには、『他人に迷惑をかけない』という、奇妙な道徳が行きわたりすぎているのではないか。『他人に迷惑をかけない人間』というのを、やたらと持ちあげることに、ぼくはおおいに不満なのである。元来、人間が入りみだれて暮らすのに、他人にまったく迷惑をかけてないなんて、とても信じられない。むしろ、迷惑をかけあうことこそ、人間の社会性と言えるぐらいだ。それに、社会的弱者にとって、この『迷惑をかけるな』は差別として作用することが多い。問題は、迷惑をかけていることに鈍感になるな、ということだろう。」 私も「人に迷惑をかけてはいけない」と教えられてきた。実はこれは、互いに助け合って生活しているという前提があるからこそ言える言葉なのだ。人間関係が希薄な社会より感謝の気持ちを持ちながら迷惑をかけあえる社会のほうが、ずっと居心地がいい。 3. 何に対して「おおいに不満なのである」と言っているのか。 若者が特定の仲間とだけつきあって、小さく固まりたがること 他人に迷惑をかけないことがいいことだと思われていること 他人に迷惑をかける人が多いということ 人間が入りみだれて暮らすと、他人に迷惑をかけてしまうこと 4. 「差別として作用する」例として、最も適当なものはどれか。 電車の中でお年寄りに席を譲らないこと 子供の学力に親の経済力が影響すること 学歴がないと就職しにくいこと 車いすの人は電車に乗らないほうがいいと思うこと 5. 「人に迷惑をかけてはいけない」はどういう社会におけるものか。 人に迷惑をかけるのは良くないという考え方の社会 お互いに迷惑をかけ合うことが普通の社会 お互いにあまり関係を持たないようにする社会 ややこしいことはなるべく避けようとする社会 Answer Key: Question 1: 3 (そういうものとはどんなものか。=> 必要じゃない人にもほしいと思わせるもの ) Question 2: 3 (筆者がここで最も言いたいことは何か。=> いのちのかぎり、弱い立場の人を助けるのが人間である。) Question 3: 2 (何に対して「おおいに不満なのである」と言っているのか。=> 他人に迷惑をかけないことがいいことだと思われていること ) Question 4: 4 (「差別として作用する」例として、最も適当なものはどれか。=> 車いすの人は電車に乗らないほうがいいと思うこと ) Question 5: 2 (「人に迷惑をかけてはいけない」はどういう社会におけるものか。=> お互いに迷惑をかけ合うことが普通の社会 ) --------------- https://japanesetest4you.com/jlpt-n1-reading-exercise-09/ 問題1 科学記者を始めた20年ほど前、記者の訪問を歓迎しない科学者は、けっして珍しくなかった。「新聞記者との付き合いには何のメリットもなく、時間の無駄。記者と親しい科学者は、同僚からうさんくさい目で見られる。真理の探究に没頭する科学者が、記者なんていう世俗を相手にしては沽券にかかわる」というわけだ。それが今は、まったく違う。科学者も、研究に税金を使うからには自分の仕事を積極的に世間に説明するのが当然だとみなされ、大学や研究所はメディア戦略を練るまでになった。変われば変わるものだ。 (中略) 科学者側の広報が巧みになればなるほど、科学ジャーナリズム科学者集団のたんなる宣伝係で仕事をした気になってしまう恐れがある。 「サイエンス」や英国の「ネイチャー」に載る科学者の論文を、どの新聞も毎週のように記事にして紹介している。その多くが、これらの論文誌の巧みな広報資料や研究者の記者発表をもとにしているのだが、これなどまさに、何を社会に伝えるかは自分で決めるというジャーナリズムの要を、科学者集団側になかば預けてしまっているのではないか。 自分でネタ探しをするよりも、このほうがたしかに効率的なのだ。 米国の科学ジャーナリズムの教科書には、科学者たちはマスメディアを自分たちの広報機関のようにとらえるものだと書いてある。科学ジャーナリズムは、広報戦略に長けてきた科学者たちとどう付き合っていくべきか。その哲学と戦略を、こちら側も改めて肝に銘じておかなければならない時代になった。 (YOMIURI ONLINE 2010年3月7日取得による) 1. 変われば変わるものだとあるが、科学者はどのように変わったのか。 以前は記者を世俗的だと見ていたが、現在はメディアを信頼するようになった。 以前は記者と距離を置いていたが、現在は積極的にメディアとかかわるようになった。 以前は同僚の目を気にしていたが、現在は記者の目をより気にするようになった。 以前は自らメディア戦略を練っていたが、現在は記者の力を借りるようになった。 2. 科学者との関係で、今のジャーナリズムにはどのような問題があるか。 科学者が望む論文を記事にしていない。 科学者が十分満足できる広報をしていない。 科学者から提供された情報をそのまま伝えている。 科学者から提供された情報を十分理解せずに報じている。 3. この文章で筆者が最も言いたいことは何か。 科学者は、科学ジャーナリズムの立場をもっと理解すべきである。 科学者は、科学ジャーナリズムとの関係のあり方を改めて見直すべきである。 科学ジャーナリズムは、報道内容の決定にあたって主体的であるべきだ。 科学ジャーナリズムは、科学の価値を正しく認めてもらえるよう努めるべきだ。 問題2 日本には、(1)「湯水のごとく使う」という言い方がある。「金などを湯や水を使うように、考えなしに、どんどん使ってしまう」という意味である。 日本では、昔から水が豊かだと考えられてきた。雨も多いし川も多い。特に東京や大阪など大きな川のそばにある都市では、あまり水に不自由しなかった。 また、日本人は風呂が好きである。たっぷり入れた湯につかり、その湯をどんどん使って体を洗う。実に気持ちのいいものだ。 しかし、最近は、「湯水のごとく」という言い方は、(2)ちょっと待ってくれという感じになってきた。世界の至る所で水が不足しているのである。日本のような国は例外で、大きな川の流域では、川の水をめぐって国同士が争っているほどである。雨が降らず、作物が全くとれない国も多い。 さらに、温泉を別にすれば、湯をわかすには燃料が必要だ。石油にしてもガスにしても、決して無限ではない。また、それらを燃やした時に出る二酸化炭素は、地球温暖化の原因とされている。 もはや、日本人は、湯や水を、文字通り「湯水のごとく」使えなくなっているのである。 4. (1)「湯水のごとく 」という表現の背景には、日本人のどのような考え方があるか。 水はたくさんあるので、気にしないでいくら使ってもいい。 水はたくさんあるが、大切に使わなければならない。 お金も水も気にしないでどんどん使ったほうがいい。 お金も水と同じように、他人に分け与えるべきだ。 5. 最近は、なぜ(2)「ちょっと待ってくれ」という感じなのか。 日本は、水を得るために他の国と争うようになったから 最近、日本では、昔ほど風呂で湯水を使わなくなったから 日本では、雨が少なくなって、水が不足してきているから 多くの国で水不足になっており、水の大切さを認識すべきだから 6. 湯を「湯水のごとく」使えなくなった理由として正しいものはどれか。 地球温暖化の影響で、湯の量が減っているから 温泉を作るためには、石油やガスなどの燃料をたくさん使うから 温泉から出る二酸化炭素は、地球に悪い影響を与えるものだから 水を湯にするために使う石油やガスは、いつかなくなるものだから Answer Key: Question 1: 2 (変われば変わるものだとあるが、科学者はどのように変わったのか。=> 以前は記者と距離を置いていたが、現在は積極的にメディアとかかわるようになった。) Question 2: 3 (科学者との関係で、今のジャーナリズムにはどのような問題があるか。=> 科学者から提供された情報をそのまま伝えている。) Question 3: 3 (この文章で筆者が最も言いたいことは何か。=> 科学ジャーナリズムは、報道内容の決定にあたって主体的であるべきだ。) Question 4: 1 ((1)「湯水のごとく 」という表現の背景には、日本人のどのような考え方があるか。=> 水はたくさんあるので、気にしないでいくら使ってもいい。) Question 5: 4 (最近は、なぜ(2)「ちょっと待ってくれ」という感じなのか。=> 多くの国で水不足になっており、水の大切さを認識すべきだから ) Question 6: 4 (湯を「湯水のごとく」使えなくなった理由として正しいものはどれか。=> 水を湯にするために使う石油やガスは、いつかなくなるものだから ) -------------- https://japanesetest4you.com/jlpt-n1-reading-exercise-10/ 問題1 アジアであれヨーロッパであれ、あるいは、三日であれ一か月であれ、旅から帰って成田空港に着く。(中略)私はいつもバスではなくて列車で家まで帰る。 都心に向かう列車には、旅から帰ってきた人と、これから旅する人たちが乗っている。話している人たちがいても、不思議に静かだ。帰る人の疲れと、旅する人の緊張が混ざり合ったような、ほかの路線ではなかなか味わえない静けさである。 列車がトンネルを出ると、私は窓の外の景色を見る。空港からしばらくは、田園風景が続く。彼方まで続く田んぼは、季節によって一面の緑だったり茶色だったり、はられた水が空を映して青かったりする。山々が、遠くに見えたり近くに迫ってきたりする。冬枯れの景色でも、緑濃い初夏でも、自然の色彩が非常にやわらかいことに毎回あらためて気づかされて、そうして、帰ってきたなあと実感する。 アジアにもヨーロッパにもそれ以外のどこにでも、ゆたかだったりそうではなかったりする自然がある。田舎を旅すればむせかえるような緑の中を歩くことになる。見慣れた田んぼとそっくりな光景を見ることもある。葉の落ちた木々が針のような枝を空に突き刺す景色に見とれることもある。緑の多い町だ、とか、水墨画みたいだ、とか、その程度の感想は抱くが、その色彩についてとくべつ何も思わない。 帰ってきて、車窓から景色をみて思うのだ。この国の色彩は本当にやわらかい、と。木々の緑も、四季に即した山の色も、川も空も。旅先で見てきた木々や空や海といったものが、なんと強烈な色を放っていたのかとこのときになって気づく。 窓の外に緑が少なくなって、次第に家やビルが増えてくる。都心が近づくにつれ、どんどん建物や看板が増えてくる。さっきより「ああ、帰ってきた」がもう少しふくらむ。都心の、空の狭い、ごたついた風景をきれいだと思ったことは一度もないけれど、でも、帰ってくると毎回近しく思う。好きとか嫌いではなくて、私に含まれているかのような近しさを覚えるのだ。 先だって、成田空港まで人を迎えにいった。旅のにおいをまだ濃厚に漂わせている人を到着口で迎え、いっしょに列車に乗り込んだ。旅の話を聞きながら、窓の外を眺めていて、ちょっとびっくりした。旅から帰ってみる景色とぜんぜん違う。退屈な、見るべきところもない田園風景が広がっているのである。そうか、旅のあとじゃないと、ただの日常の光景なのか。都心が近づいてくる。窓の外に私が見ている光景と、旅から帰った人から見ている景色は、まったく違うんだろうなあと思った。 旅というのは、空港に着いたときに終わるのではなく、周囲の景色が、わざわざ目を凝らすこともない日常に戻ったときに終わるのだと知った。 (角田光代『トランヴェール』2012年3月号による) 1. 帰ってきたなあと実感するのは、どんなときか。 都心に向かう列車のなかで静けさを感じたとき 日本の自然の色合いをあらためて意識したとき 日本には緑が多いことにあらためて気づいたとき 四季の変化が感じられるような色に気づいたとき 2. 外国を旅しているときの、筆者の自然に対する反応はどのようなものか。 色彩の多様さに驚くことはあるが、特別よいとは感じない。 色彩が強烈だと思うことはあるが、見とれることはあまりない。 景色にひかれることはあるが、景色に特別な印象は持たない。 懐かしい景色だと思うことはあるが、色彩がやわらかいとは思わない。 3. 帰国したときに都心の風景を見て、筆者はどう感じるのか。 自分の一部であるような親しみを感じる。 自分を受け入れてくれる優しさを感じる。 自分の好みに合っている場所だと感じる。 自分のふだんの生活に戻ったように感じる。 4. 筆者は、旅というものをどのようにとらえているか。 旅は、慣れ親しんだ景色のよさを再確認させてくれる。 旅は、見慣れた風景に新しい何かを発見することを可能にする。 旅は、旅先と慣れ親しんだ景色の違いに気づいたとき終わる。 旅は、見慣れた風景が再びありふれた日常になるまで続いている。 問題2 相手を思いやる気持ち、これも、「あいさつ」の心にちがいありません。 先年、アフリカへ行ったとき、タンザニアで聞いたことですが、現地の人たちが道で知人とあいさつを交わすとき、おたがいに家族の安否をたずねますが、たとえ自分の家族に 病人がいても、それを口に出さないのが暗黙のルールになっているのだそうです。相手の 気持ちに負担をかけまいとする心からです。 (川崎洋『ことばの力』による) 5. 暗黙のルールになっているのはどんなことか。 安否をたずねる際には、ことばを口に出さないこと あいさつを交わすときは、まず安否をたずねること あいさつのとき、家族の病気のことは言わないこと 病気の人がいる家族とはあいさつを交わさないこと 問題3 国を国たらしめる要素は何なのか、ということでは、伝統的に、領土、国民、統治権、これが国家の三要素だ、といわれてきた。つまり、一定の土地とそこに住む人々、そしてその土地および人々に支配権をもつ統治権力、この三つがそろってはじめて国家というものが成り立つ、というわけである。たしかに、このうちのどれ一つが欠けても国家は成り立たないから、そのかぎりでは、これが国家の三要素だというのは、まちがいではない。しかし、一定の土地とそこに住む人々というのは、国家というものがなくても存在する。いわば国家以前の存在である。そこに国家が成立するのは、その土地および人々を支配する統治権力が現れることによって、である。つまり、国家の三要素とされるもの本質は「権力」にあり、「権力」こそが国家の実体だ、ということである。 6. 「そこに国家が成立するのは」とあるが、「そこ」とはどこか。 国家の三要素のうちのどれか一つだけが欠けているところ ある決まった範囲の土地とそこに住む人々が存在するところ 一定の土地および人々をを支配する統治権力が現れるところ 領土、国民、統治権という国家の三要素がそろっているところ Answer Key: Question 1: 2 (帰ってきたなあと実感するのは、どんなときか。=> 日本の自然の色合いをあらためて意識したとき ) Question 2: 3 (外国を旅しているときの、筆者の自然に対する反応はどのようなものか。=> 景色にひかれることはあるが、景色に特別な印象は持たない。) Question 3: 1 (帰国したときに都心の風景を見て、筆者はどう感じるのか。=> 自分の一部であるような親しみを感じる。) Question 4: 4 (筆者は、旅というものをどのようにとらえているか。=> 旅は、見慣れた風景が再びありふれた日常になるまで続いている。) Question 5: 3 (暗黙のルールになっているのはどんなことか。=> あいさつのとき、家族の病気のことは言わないこと ) Question 6: 2 (「そこに国家が成立するのは」とあるが、「そこ」とはどこか。=> ある決まった範囲の土地とそこに住む人々が存在するところ ) |
| https://japanesetest4you.com/jlpt-n1-reading-exercise-11/ 来世紀に向けて、個人レベルであれ地域社会・地球規模であれ、科学技術の進歩ゆえにいっそう複雑になっていく問題に対して、個人が判断しなくてはならない局面が増えていくことだろう。その時に自分なりに納得のいく判断を下すためには、科学に無関心・無理解を決めこんだりせず、ふだんかち科学に日を向け、科学的な考え方にふれている必要があるだろう。つまり、「1」科学と社会を結びつける良質の情報が必要なのである。その情報は自分の行動に役立てるために受信するだけではなく、場合によっては、自ら責任ある発信者となるために役立てることも大切である。 残念なことに、科学者がもたらした成果は、そのままでは判断材料としては「2」役に立たないことが多い。まず、専門用語ゆえに科学はとりつきにくい。科学が高度になり細分化したために、領域が異なれば科学者でも理解が困難な状況になってしまっている。良質の情報は優れた「3」表現能力をともなわなくてはならないが、実際のところ、研究に専念している科学者には時聞的余裕がなく、そうした表現能力を磨くいとまもないのが普通である。 一方で、「4」科学者にも良質の情報が必要である。科学者は何かしら新しいことを世界に先駆けて発見・発表することに熱中するものである。その結果が化学・生物・核兵器の開発に加担することはないか、あるいはわれわれの生活ないしは地球という生態系に思いもよらぬ影響を与えることがないかに思いを馳せる機会は、必ずしも多くはない。「5」こうした点に関して、科学者は外部から指摘される必要がある。 「___6___」、最先端の科学の研究成果とその社会的意味を科学に慣れ親しんでいない人に、また社会的意味については科学者に対しても改めて説明する人材、つまり科学のインタープリターが必要となる。インタープリターは専門用語の単なる直訳者ではなく、問題を指摘し、進むべき方向を示唆する、科学と実生活の橋渡しをする解説・評論者である。かれらが架けるその橋は、専門化した科学技術を公開して市民を啓蒙するという一方通行のものであってはいけない、インタープリターには科学者がふだん忘れがちな社会への波及効果、倫理的問題、他の科学技術や学問分野との連繋の可能性なども鋭く指摘してほしい。また、一般の人の科学に対する素朴な疑問の中からインタープリターが斬新な考えを吸い上げることで、科学者は思いもよらぬ発想転換のヒントを得られることも考えられる。 現在でも優れた作家、評論家、科学者、ジャーナリストなどが先端科学のインタープリターとして活躍しているが、21世紀に向けてその活躍はますます期待されている。 (課田玲子「杜会のなかの科学、科学にとっての社会」『現代日本文化論13日本人の科学』による) いとま: 暇、時間のゆとり 1. 「1」科学と社会を結びっげる良質の情報が必要なのであるとあるが、この「良質の情報」とは何か。 一般の人にも役に立つ科学に関する情報 複雑な社会の問題に関係のある科学的情報 科学者が研究のヒントにできるような情報 社会に大きな影響を与える科学に関する情報 2. 「2」役に立たないことが多いとあるが、筆者はどうしてそう思うのか。 科学者には複雑な問題を考える時間的余裕がないから 科学者がもたらした成果は社会的意昧があまりないから 科学者の発表する研究成果は一般の人には理解が困難だから 科学が高度になり、一般の入は科学に関心を持たなくなったから 3. 「3」表現能力とあるが、ここではとんな能力のことを言うのか。 科学技術の進歩にともない複雑化する問題を解説できる能力 自分の研究成果が一般の人にもわかるように説明できる能力 領域の違う科学者と自分たちの研究成果について話し合える能力 一般の人と地域社会を結びつける優れた研究を発表できる高度な能力 4. 「4」科学者にも良質の情報が必要であるとあるが、筆者はどんな情報が必要だと言っているか。 自分の研究成果が、社会生活や地球環境などに、どんな影響を与えるかを示す情報 自分の研究を、科学に慣れ親しんでいない入に、わかりやすく解説する方法を教える情報 自分の領域とは異なる研究の成果が、自分の研究にどのような影響を与えているかを示唆する情報 自分の研究に対して、領城の異なる科学者や一般の入はどんな関心を持っているかを知るたあの情報 5. 「5」こうした点とあるが、どんな点か。 自分の研究成果がどのような社会的意昧を持っかという点。 自分と同じ研究をしている科学者がどのくらいいるかという点。 自分の研究の内容や進め方に新しい発見があったかどうかという点。 科学者が自分の研究成果の影響について発表したかどうかという点。 6. 「___6___」に入る最も適当な言葉はどれか。 さらに そこで あるいは ところが 7. 筆者は、インタープリターが科学者に対してどのように働きかけることを期待しているか。 科学の研究成果がどのような社会的問題を引き起こすかについて、調べるように指導すること 一般の人の科学に対する疑問に答えられるように、科学者が表現能力を磨くことの重要性を訴えること 作家、評論家、ジャーナリストがさらに活躍できるように、研究成果をできるだけ早く公開するよう促すこと 科学者の気づかない問題点を指摘し、他分野との協力の可能性や研究のントになるような情報を提供すること Answer Key: Question 1: 1 (「1」科学と社会を結びっげる良質の情報が必要なのであるとあるが、この「良質の情報」とは何か。=> 一般の人にも役に立つ科学に関する情報 ) Question 2: 3 (「2」役に立たないことが多いとあるが、筆者はどうしてそう思うのか。=> 科学者の発表する研究成果は一般の人には理解が困難だから ) Question 3: 2 (「3」表現能力とあるが、ここではとんな能力のことを言うのか。=> 自分の研究成果が一般の人にもわかるように説明できる能力 ) Question 4: 1 (「4」科学者にも良質の情報が必要であるとあるが、筆者はどんな情報が必要だと言っているか。=> 自分の研究成果が、社会生活や地球環境などに、どんな影響を与えるかを示す情報 ) Question 5: 1 (「5」こうした点とあるが、どんな点か。=> 自分の研究成果がどのような社会的意昧を持っかという点。) Question 6: 2 (「…6…」に入る最も適当な言葉はどれか。=> そこで ) Question 7: 4 ( 筆者は、インタープリターが科学者に対してどのように働きかけることを期待しているか。=> 科学者の気づかない問題点を指摘し、他分野との協力の可能性や研究のントになるような情報を提供すること ) ------------ https://japanesetest4you.com/jlpt-n1-reading-exercise-12/ 問題1 A 雑談はいろいろな意見を交換し合うことによって、ヒントを得ようというスケールの大きな場である。そこにいる誰もが自由に発言する権利を持っている。仮に自分とは反対意見であっても、まずは聞くという姿勢を保つこと、心理学のカウンセリングと同じである。 そして相手の発言に対して、自分の意見を軽い気持ちで述べる、それが雑談である。どんなに間違っている、バカバカしいと思われる意見であっても、いったんそれを受け入れること。「なぜあの人はこのような発言をするのか」と考えていくと、自分がそれまで見落としていたことがあることに気がつくこともある。 「話し上手は聞き上手」という言葉があるように、雑談では「いかに発言するか」よりも「いかに聞くか」が大切になる。 (多湖輝『人の心をつかむ「雑談力」情報が集まる「雑談力」』による) B 雑談は無駄だという人がいるが、本当にそうだろうか。辞書を調べると「無駄話」という意味もあるが、「さまざまなことを気楽に話し合うこと」という意味もある。気楽な気持ちのとき、人は本音を話すものだ。バカらしいと思う話もあるかもしれないが、雑談の中から相手の人間性が見えてくる。 そうはいっても、気楽に話せる雰囲気を作るのは簡単なことではない。まずは、自分から話のきっかけになりそうな小さなエピソードを話そう。相手が話に乗ってきたと思ったら、そこで自分の本音を話してみよう。そうすれば、相手もやがて心を開いて話し始めるだろう。そうなれば、雑談も意味のある時間となる。 1. 雑談の良い点について、AとBはどのように述べているか。 Aはお互いの考えを認め合えると述べ、Bは相手の人間性が見えてくると述べている。 Aは相手と意見交換ができると述べ、Bはバカらしい話をしても受け入れてもらえると述べている。 Aは自分が気づいていなかったことに気づけると述べ、Bは相手の本音を知ることができると述べている。 Aは誰もが自由に意見を発言できると述べ、Bは相手と自分との共通点を見つけることができると述べている。 2. 雑談をするときの姿勢について、AとBはどのように述べているか。 AもBも、相手の話をよく聞くことが大切だと述べている。 AもBも、相手と自分が同じぐらいの割合で話すようにしようと述べている。 Aは相手の話を聞くことが大切だと述べ、Bは自分から話すようにしようと述べている。 Aは相手の発言の意図を考えることが大切だと述べ、Bはまずは相手に話をさせることが大切だと述べている。 問題2 技術者にとってレース車を開発するというのは、非常に魅力があるようなのだ。 それはそうだろう。市販車の開発であれば、コストのことや工場のことを考えなければいけないので、自分の考え出した創意工夫を必ずしも反映できるわけではない。いいモデルを出したからといって、営業の力が弱ければ売れるとは限らない(少なくとも、多くの開発技術者はそう思って歯軋りをしているに違いない)。しかし、レース車であれば、ある程度、採算無視で色んなことにトライできる。何よりも、営業力とか他の要素に邪魔されることなく、「1」どんな大メーカーを相手にも対等に優劣を争うことができるわけだ。 逆にいうと、言い訳のない世界でもある。敵よりコンマ1秒でも遅れをとれば負けるのだ。そして、それは、はっきりとその場で目に見える。(中略) 目標設定も単純だ。市販車開発なら、時にはアメリカと欧州の両市場で売れる車を作ってくれと営業から要求されたりする。そこでは技術的に妥協せざるを得ないが、レースは絶対的な速さだけを目指せばいいのだ。その代わり、自分の実力が今どうであれ、敵の車が75秒でサーキツトを1周していれば、それより速い夕イムで走る車をつくらないと意味がないのだ。「2」出来る、出来ないを論じる余地は全くない。また、お分かりのように、他チームの車の真似だけをしていれば、決して「最速」にはならないのも真実なのだ。 (田中詔一『ホンダの価値観一原点から守り続ける0尺八』による) 3. 「1」どんな大メーカーを相手にも対等に優劣を争うことができるとあるが、なぜか。 創意工夫する力さえあれば売れる車がつくれるから 性能さえよければ採算のとれるレース車がつくれるから 営業力に邪魔されずに価格で勝負できる車がつくれるから コストなどの要素に影響されずにレースで競える車がつくれるから 4. 「2」出来る、出来ないとあるが、何が出来る、出来ないのか。 自社の最高タイムを次のレースで上回ること 技術的に妥協するしかない場合には妥協すること ライバル社より少しでも速く走れる車をつくること アメリ力や欧州のレースでいい成績をおさめること 5. この文章によると、レース車の開発は、技術者にとってなぜ魅力的なのか。 高い技術力が示せれば世界で認められるから 自社が持っている技術力の高さを証明できるから 明確な目標に向かって開発だけに集中できるから 開発者としての実力が大メーカーからも評価されるから 問題3 井上ひさしさんが、「エッセイとはすなわち、自慢話である」といったことを書いていらしたのを、以前読んだことがありますが、私はその文を一読した瞬間、「ああっ!」と叫んで赤面したのでした。 エッセイ=自慢、とはまさにその通り。エッセイを書く仕事をしている私は、心のどこかでそのことを感じつつ、気づかない努力をしていた気がする。しかしそのようにズバリ言われると、「私は今まで、自慢話によって、口を糊してきたのだなあ」ということが、明確に理解できるのです。 (酒井順子『黒いマナー』による) 6. 筆者が「ああっ!」と叫んだのはなぜか。 前々から抱いていた自身の思いを先に言われたから だれかに言いたかった自身の気持ちを見抜かれたから 意識しないようにしていた自身の思いを指摘されたから 言葉にできないでいた自身の気持ちをズバリ言われたから Answer Key: Question 1: 3 ( 雑談の良い点について、AとBはどのように述べているか。=> Aは自分が気づいていなかったことに気づけると述べ、Bは相手の本音を知ることができると述べている。) Question 2: 3 ( 雑談をするときの姿勢について、AとBはどのように述べているか。=> Aは相手の話を聞くことが大切だと述べ、Bは自分から話すようにしようと述べている。) Question 3: 4 (「1」どんな大メーカーを相手にも対等に優劣を争うことができるとあるが、なぜか。=> コストなどの要素に影響されずにレースで競える車がつくれるから ) Question 4: 3 (「2」出来る、出来ないとあるが、何が出来る、出来ないのか。=> ライバル社より少しでも速く走れる車をつくること ) Question 5: 3 ( この文章によると、レース車の開発は、技術者にとってなぜ魅力的なのか。=> 明確な目標に向かって開発だけに集中できるから ) Question 6: 3 ( 筆者が「ああっ!」と叫んだのはなぜか。=> 意識しないようにしていた自身の思いを指摘されたから ) ----------- https://japanesetest4you.com/jlpt-n1-reading-exercise-13/ 問題1 うちの犬は頭がよくないけれどむやみに吠えない。これは犬種の性格である。もうひとつ、絶対に嚙みつかない。これは訓練士に仕込まれた成果である。大きな犬なので幼児に嚙みついたら事件になってしまう。 訓練士は二十代の女性でスクーターに乗ってやってきた。訓練時間は週に4回、各30分である。半年近く経っても訓練が終わらないので、いつになったら卒業できるんですか、と訊ねた。家庭内での序列がはっきりしたら、と説明する。序列ねえ、どういうことかな、 とさらに質問すると、お宅の坊ちゃんがまだ……。 十年前なので息子は小学生である。体格的にも犬と息子に差がない。うちの犬はまず僕、つぎに妻と気の強い娘に降参したのだ。だが息子は軟体動物のようにふにゃらふにゃらとしている。寝てばかりいる。起きてもあくびばかりしている。両者は最下位争いを演じたまま四つに組んで決着がつかないらしい。 動物は序列に敏感なのだ。(中略) 女性の訓練士が説明した。犬をかわいがっているつもりで甘やかし、腕をがぶりと嚙みつかれた飼い主がいた。甘やかせばつけ上がるだけ、自分が主人と信じ込んで飼い主をな めた結果である。動物はつねに威嚇しながら序列を確認しているから、仲間同士は本気で喧嘩をしない。相手が強い、とわかれば争わない。喧嘩したら互いに傷つき、厳しい自然界では生き残れないから。 さすがに血のめぐりの悪いわが家の犬も、ある日、息子にゴツンと頭を叩かれ、最下位が確定、平和的に棲み分けが決まり、予算オーバーの訓練は終了した。 動物から教訓を得たわけではないが、家庭内でも夕テマエとしての序列がないと混乱がはじまる。親父の権威の喪失が取り返しのつかないところまできたのは家父長制を否定しすぎた結果でもある。戦前は長子相続で、次男以下は相続権がなく女性にいたってはその他大勢の扱い、ひどいものだった。そういう状態を復活せよ、と述べているのではない。 職場で女性がもっと管理職に進出できる環境は整えたほうがよいし、僕の経験からして共働きには賛成である。家事も分担したほうがよい。だが男女平等をはきちがえてはいけない。家庭は動物の巣に似た面がある。権威としての父性、包容力の母性まで削り取ってはいけない。父親は筋肉質で髯をはやし、母親には柔らかな肌とやさしい笑顔があるように、それらしく演じ分けたほうがよい。頻発する家庭内暴力が役割構造の喪失と無縁では ないからである。 (猪瀬直樹「家」1999年9月26日付朝日新聞朝刊による) 1. 「1」お宅の坊ちゃんがまだ……とあるが、「まだ」の後に続く言葉はどれか。 小学生で、犬の訓練が苦手ですから 序列が犬より上になっていませんから 小学生で、訓練が終わっていませんから きょうだいの序列を理解していませんから 2. 「2」腕をがぶりと嚙みつかれた飼い主がいたとあるが、この犬はどうして嚙みついたか。 この犬は自分の方が飼い主より上だと思っていたから 女性の訓練士に甘やかされて誰にでも嚙みついていたから 強い相手に挑まなければ厳しい自然界では生きられないから この犬は飼い主と自分の序列はまだ定まっていないと思ったから 3. 「3」男女平等をはきちがえてはいけないと言っているが、筆者は「はきちがえる」とどうなると考えているか。 共働きが普通になり、父親が家事を分担するようになる。 父親と母親の家庭内での役割が混乱し、問題が生まれる。 職場で女性がもっと管理職に進出できるような環境になる。 家父長制が復活して戦前の社会のように人が序列化される。 4. この文章で筆者が最も言いたいことは何か。 犬には訓練によって家庭内での序列を教え込むことが必要である。 父親と母親の役割を明確にするために、家父長制を復活すベきである。 家庭の問題を解決するためには動物と同じく序列化が必要である。 親は家庭でそれぞれ父性や母性にもとづく役割を果たすべきである。 問題2 異文化間での対話を議論するときに、必ずといってよいくらい出てくるのが、価値観の理解と共有である。他者と対話を通して、人間関係を樹立していくには、自己の価値観を保存したままで、他者の価値観を理解するという方略だけでは十分ではない。相互的な働きかけを通じて、何か新たな価値を共有することが要求されるのである。すなわち、自らの価値観を相対化し、新たな価値を対話という共同作業を通して創り上げ、それを共有していく態度が必要なのだ。 (ARCLE編集委員会・田中茂範・アレン玉井光江・根岸雅史・吉田研作編著『幼児から成人まで一貫した英語教育のための枠組み―ECF-English Curriculum Framework』による) 5. 筆者によると、異文化間で対話を通して人間関係を築く上で最も大切なことは何か。 自己の価値観を理解してもらおうとする態度 自己の価値観を保ちながら、他者の価値観を理解する態度 他者と自己の共通の価値観を創り上げていく態度 他者の価値観の中に自己の価値観との共通点を見つける態度 問題3 人間の社会的な日常生活は、無数の暗黙の約束を相互に共有することで成り立っています。暗黙というのは、そうした約束が明瞭に意識されたり、どこかにはっきり書かれているわけではないということです。習慣化し、なかば無意識的に守られている社会的な約束事の海に、共に浸かっているから、われわれはこの世界の中に安心して毎日生きていられるのであり、それから何が起きるのか、自分はどう行動したらよいのか、一々思い悩まずにいられるわけです。 (著者代表森亘『異文化への理解』による) 6. 思い悩まずにいられるとあるが、なぜか。 習慣化された社会共通の約束事があるから 社会的な約束事は日常生活で教えられるから 社会でお互いの約束事が意識的に守られているから 習慣や行動に関する約束事を共有する場が持てるから Answer Key: Question 1: 2 (「1」お宅の坊ちゃんがまだ……とあるが、「まだ」の後に続く言葉はどれか。=> 序列が犬より上になっていませんから ) Question 2: 1 (「2」腕をがぶりと嚙みつかれた飼い主がいたとあるが、この犬はどうして嚙みついたか。=> この犬は自分の方が飼い主より上だと思っていたから ) Question 3: 2 (「3」男女平等をはきちがえてはいけないと言っているが、筆者は「はきちがえる」とどうなると考えているか。=> 父親と母親の家庭内での役割が混乱し、問題が生まれる。 ) Question 4: 4 ( この文章で筆者が最も言いたいことは何か。=> 親は家庭でそれぞれ父性や母性にもとづく役割を果たすべきである。) Question 5: 3 ( 筆者によると、異文化間で対話を通して人間関係を築く上で最も大切なことは何か。=> 他者と自己の共通の価値観を創り上げていく態度 ) Question 6: 1 ( 思い悩まずにいられるとあるが、なぜか。=> 習慣化された社会共通の約束事があるから ) ------------ https://japanesetest4you.com/jlpt-n1-reading-exercise-14/ 問題1 日本語の大きな特徴には、母音が多いということ以外に、唇をあまり使わずに、口の奥で構音する(言葉をつくる)という点もある。つまり、口元を動かさずに、喉で言葉をつくってる感じだ。だから、日本語をしゃべっていると、能面とかポーカーフェイスといわれる無表情な顔になる。外国人にとっては、「1」これがすごく不気味に思えるらしい。 (中略) 試しに、鉛筆かボールペンか何かを、横向きにくわえてしゃべってみよう。日本語だとちゃんと聞きとれるようにしゃべれるが、例えば英語だと、何言ってんだかわからなくなる。日本語は口の奥で構音するが、英語などは口の先っぽで構音する からだ。口の先っぽに「口かせ」をはめられちゃうと、どうにもならないのだ。 中国語でも「口かせ」をはめると、何言ってるんだかわからなくなる。というよりも発音すること自体、ほとんど不可能になってしまう。同じアジアのお隣さんの国でも、全然違うのだ。母音が多いだけでなく、発音のしかたからしても、日本語は喉声向きにできている。逆に日本語だからこそ、喉声が完成されたのかもしれない。日本語はつまり「2」喉語なのだ。 (中野純『日本人の鳴き声』NTT出版による) 1. 「1」これとあるが、何のことか。 母音が多いこと 表情を変えずに話すことと 喉から音が出てくること 発音のしかたが違うこと 2. 文中の口かせをはめる の説明として正しいものはどれか。 口元を見せないように能面を顔につけること 口が開かないように、唇を閉じたままにすること 唇が動かないように、細長いものを横にくわえること 小さい声でしか話せないように、口のまわりに布をかぶせること 3. 「2」喉語とは何か。 口元をあまり動かさず、口の奥で言葉をつくる特徴を持つ言語 口元をよく動かしながら、口の奥で言葉をつくる特徴を持つ言語 ボールペンを横にくわえると、発音することが不可能になるような言語 ボールペンを横にくわえて話すと、母音が聞き取りやすくなるような言語 問題2 人に従順な飼い犬は、もともとオオカミの仲間を飼い馴らしたものである。 (中略) ところが、「人間がオオカミを飼い馴らした」という話には謎が多い。犬が人間と暮らすようになったのは、15000年ほど前の旧石器時代のことであると推測されている。当時の人類にとって、肉食獣は恐るべき敵であった。そんな恐ろしい肉食獣を飼い馴らすという発想を当時の人類が持ち得たのだろうか。しかも犬を飼うということは、犬にエサをやらなければならない。わずかな食糧で暮らしていた人類に、犬を飼うほどの余裕があったのだろうか。また当時の人類は犬がいなくても、狩りをすることができた。犬を必要とする理由はなかったのである。 最近の研究では、人間が犬を必要としたのではなく、犬の方から人間を求めて寄り添ってきたと考えられている。犬の祖先となったとされる弱いオオカミたちは、群れの中での順位が低く、食べ物も十分ではない。そこで、人間に近づき、食べ残しをあさるようになったのではないかと考えられているのである。弱いオオカミだけでは、狩りをすることができないが、人間の手助けをすることはできる。 そして、やがて人間と犬とが共に狩りをするようになったと推察されている。こう考えると、当時、自然界の中で強い存在となりつつあった人間に寄り添うことは、犬にとって得なことが多かった。つまり、人間が犬を利用したのではなく、犬が人間を利用したかもしれないのである。 (稲垣栄洋『弱者の戦略』による) 4. 謎が多いとあるが、謎に合うのはどれか。 犬ではなくオオカミを飼おうとしたこと オオカミを肉食獣だと思わなかったこと 恐ろしいオオカミを飼って利用しようと考えたこと 狩りの邪魔になるのに恐ろしいオオカミを飼おうとしたこと 5. 筆者によると、どのようなオオカミが犬の祖先だと考えられるか。 人間から頼りにされたオオカミ 狩りの上手なオオカミ 群れから追い出されたオオカミ 群れの中で下位のオオカミ 6. 犬の祖先が人間と暮らすようになったきっかけについて、筆者はどのように考えているか。 人間を利用して仲間からの危険を避けようとした。 人間に近づいて食糧を得ようとした。 人間が狩りの手助けをさせた。 人間がエサを与えた。 Answer Key: Question 1: 2 (「1」これとあるが、何のことか。=> 表情を変えずに話すことと ) Question 2: 3 ( 文中の口かせをはめる の説明として正しいものはどれか。=> 唇が動かないように、細長いものを横にくわえること ) Question 3: 1 (「2」喉語とは何か。=> 口元をあまり動かさず、口の奥で言葉をつくる特徴を持つ言語 ) Question 4: 3 ( 謎が多いとあるが、謎に合うのはどれか。=> 恐ろしいオオカミを飼って利用しようと考えたこと ) Question 5: 4 ( 筆者によると、どのようなオオカミが犬の祖先だと考えられるか。=> 群れの中で下位のオオカミ ) Question 6: 2 ( 犬の祖先が人間と暮らすようになったきっかけについて、筆者はどのように考えているか。=> 人間に近づいて食糧を得ようとした。) --------------- https://japanesetest4you.com/jlpt-n1-reading-exercise-15/ 問題1 大学の講義やセミナーの場を通し、折にふれ、私は学生諸君に向かって、「せっかく大学に入ったのだから、ひとつでも多く知的感動を味わい、学問を楽しんでほしい」と語りかけている。 しかし、現状を見ていると…もとより私の力不足もあろうが…残念ながら、「1」こうしたメッセージが若い諸君の心に十分、伝わっているとはいい難い。彼らのほとんどにとって楽しみの対象といえば、サークル活動やスポーツ、音楽、映画、漫画、ある いはさまざまなレジャーであり、それらはいずれも学問とは距離を置いたところにあるからである。 「___2___」、私が日々接している学生諸君についていえば、彼らの多くは決して学業をおろそかにしているわけではない。彼らはそれなりに勉強し、高い学力をもっていることは間違いない。 こう書くといささか矛盾めくように聞こえるかもしれないが、大方の学生にとっては学問を楽しむ心の余裕をもつ以前に、まずは目先の目標を順にかたづけなければならないという「強迫観念」が先行するのであろう。具体的にいえば、単位の取得、進学、就職など実利的な目標の達成が、焦眉の急なのである。「3」それはそれで仕方ないのであろうが、こせこせせず、もう少し精神の豊かさをもって学問を見つめ直し、大学生活を送ってもらいたいと、つい注文をつけたくなる。 (小山慶太「知的熟年ライフの作り方』講談社による) いささか矛盾めくように:多少矛盾しているように こせこせする:小さいことにこだわる 1. 「1」こうしたメッセージとあるが、どんなメッセージか。 大学に入ったのだから、学問上のおもしろさを知ってほしい。 大学に入ったのだから、学問とは別の楽しみも見つけてほしい。 大学での学業をおろそかにしないで、高い学力を身につけてほしい。 大学卒業のために必要な単位をとり、自分の希望をかなえてほしい。 2. 「___2___」の中に入るものはどれか。 それゆえ だからこそ それどころか かといって 3. それはそれで仕方ないとあるが、何が仕方がないのか。 学生に伝えたい自分の思いが十分伝わらないこと サークル活動やスポーッを楽しみの対象とすること 目先の目標をかたづけなければならないとあせること 一つでも多く、知的感動を味わい、学問を楽しもうと思うこと 4. 筆者によれば、現在のほとんどの学生の目標は何か。 精神の豊かさをもって学問を見つめなおすこと いい成績を取って、進学あるいは就職を果たすこと サークル活動やスポーツなどにより学問と距離を置くこと 自分のメッセージを、他の人に十分伝わるようにすること 問題2 これは、ある新聞の読者モニター募集の広告である。下の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。 ![]()
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| https://japanesetest4you.com/jlpt-n1-reading-exercise-16/ 問題1 人類は、「都市」という空間をつくったときに、それまでの部族的、あるいは村落的な社会空間とは本質的に異なる社会空間を経験した。村落においては人々は、共に生き、共に死んでいくものとして、互いのこと、そのまた親の世代のこと、祖先のことまで熟知していることを前提とした社会的な関係を形成する。都市の街頭においては、人々は、互いの匿名性を前提として、見ず知らずの他人同士の視線によるコミュニケーションを交わす。都市のなかの市場では相手の人柄や家族のことなどなにも知らないことを前提とした商品の売買や機能的な結びつきを形成する。さらにそれを恒常化した組織も、村落の人と人の関係とは違って人々の分業を最適な状態で実現するための機能的なつながりである。 都市の社会空間の経験は、人類にとっての社会のイメージを決定的に変えたし、したがって自己のイメージも変えた。人々は、自分を個人という単位として意識する機会が多くなり、財は一族や集団のものではなく、個人のものと意識され、才能は個々の人間の属性として考えられるようになった。都市の人間の間にも、うわさが飛び交うような口頭のコミュニケーションは発達したが、都市社会が大型化し、複雑化するにしたがって、それだけでは情報の共有に不安定性が拡大してくる。マスメデイアは、誰でもアクセス可能であることを原理とする一方向の公開型メデイアである。そのため、都市型のコミュニケーションを補完し、あるいはそれを強化する機能をになっている。 (成田康昭『メデイア空間文化論―いくつもの私との遭遇』による) 1. 都市の社会空間の特徴について、筆者はどのように述べているか。 人々が他人に関心を持たず、社会的なつながりが希薄になっている。 人々が互を知らないことを前提として、機能で結びついている。 人々が相手との親密さより、機能的なつながりを優先している。 人々が匿名性を前提としたコミュニケーションを好んでいる。 2. 都市の社会空間の経験によって、人々の自己に対する意識はどう変わったか。 集団のなかの一員という立場を意識するようになった。 個人であるということをより強く自覚するようになった。 自分が果たすべき義務をより明確に意識するようになった。 自分の才能は社会のなかで生かすべきものだと考えるようになった。 3. 都市社会におけるマスメディアについて、筆者はどのようにとらえているか。 人々の間の情報共有を安定させている。 人々の社会的な関係を強化している。 情報の複雑化を抑制している。 口頭のコミュニケーションの発達を促している。 問題2 僕らは、自由という言葉にある重さを感じる。自由と勝手とは似て非なるもので、自由を与えられると、その尊さゆえにどう扱っていいかと緊張するのである。そのように教えられたわけではないのだが、その解釈する感性が少なくとも備わっていたということだろう。日常の仕事のことでもいい、ちょっと思い返すと、「1」それが実感できる。 「2」自由におやりくださいと言われると、無邪気に、あるいは無責任に、これは楽だと思えるだろう。 自由におやりくださいの自由は、あなたの思うままお好きな世界を構築して結構ですという、全幅の信頼や神のごとき好意ではないのである。 もっとつき放している。お手並拝見という底意地の悪さもある。だから、言われた側の本心としては、自由にやらせていただけるのですかと、感動のリアクションを示しながら、実は大して期待していないな、要するにあてにされていないなと思ったりするのである。 それもこれも、自由という言葉の持つ重さと、それを使いこなす困難さを知っているからである。だから、僕らは若い時、自由に書いてください、自由に解釈してください、自由に生きてくださいと言われると、捨てられたような戦慄を覚えたものである。自由は善玉、制約は悪玉だと伝えられているが、制約を示された方が人は安心して生きられることころもあるのである。 「中略」 僕は、自由を理解し、自由を享受し、自由を主張するためには、無免許であってはならないと思っている。少なくとも許されることと、許されざることの判別が可能な人だけに交付されるべきなのである。 (阿久悠『清らかな厭世—言葉を失くした日本人へ』による) 4. 「1」それが実感できるとあるが、何が実感できるのか。 自由という言葉の重さ 自由という言葉のあいまいさ 自由という言葉の解釈の違い 自由という言葉の使い方の難しさ 5. 「2」自由におやりくださいと言われると、どのように感じると筆者は述べているか。 失敗すると思われている。 責任を押しつけられている。 思いどおりにやらせてもらえる。 あまり頼りにならないと思われている。 6. この文章で筆者が最も言いたいことは何か。 自由を定義できなければ、自由を主張するべきではない。 自由の本当の意味がわからなければ、自由を与えられるべきではない。 自由に伴う責任を感じられなければ、自由という言葉を使うべきではない。 自由と不自由の違いがわからなければ、自由に生きることを許されるべきではない。 Answer Key: Question 1: 2 ( 都市の社会空間の特徴について、筆者はどのように述べているか。=> 人々が互を知らないことを前提として、機能で結びついている。) Question 2: 2 ( 都市の社会空間の経験によって、人々の自己に対する意識はどう変わったか。=> 個人であるということをより強く自覚するようになった。) Question 3: 1 ( 都市社会におけるマスメディアについて、筆者はどのようにとらえているか。=> 人々の間の情報共有を安定させている。) Question 4: 1 (「1」それが実感できるとあるが、何が実感できるのか。=> 自由という言葉の重さ ) Question 5: 4 (「2」自由におやりくださいと言われると、どのように感じると筆者は述べているか。=> あまり頼りにならないと思われている。) Question 6: 2 ( この文章で筆者が最も言いたいことは何か。=> 自由の本当の意味がわからなければ、自由を与えられるべきではない。) --------- https://japanesetest4you.com/jlpt-n1-reading-exercise-17/ 問題1 暮らしの中で身近な木といえば、街路樹と公園の樹木、そして住宅の庭の木あたりでしょうか。いずれも毎日目にはしているものの。あらためて意識することは少ないと思います。でも、例えばこれがすべて枯れてしまったとしたらどうでしょう。なんとも寂しく、無味乾燥な、あるいは何か病気を連想させるようなイメージのまちになってしまうのではないでしょうか。また、昨今は、維持管理の面などから街路樹を植えないまちなどもあるようですが、一見近代的、未来都市的なイメージもしますが、うるおいややすらぎのないまちのようにも見えます。このようにまちの樹木は、実はとても大きな役割を持っています。では、この木々たちは、ただ植えるだけ、存在するだけでいいのでしょうか。そうではありません。そこに意味や意義がなければならないのです。わかりやすく言うと、街路樹の樹種を何にするかというようなことです。その土地の植生を踏まえ、その上に歴史性や未来性を重ね合わせる。季節の移ろいの中で、人々がその木をどのように眺めながら暮らしていくのか。そんな積み重ねの上にはじめて「ここにはこの木を植えよう」ということになる。「1」それがその木がその場所に存在する意義です。 住宅の庭木も同じです。単に自分の好みばかりでなく、その木が住宅街の小路をどのように演出するのか、まわりとの調和はどうなのか。そんなことを考えていくのがまちづくりの中の「木」です。昨今のガーデニングブームで、確かに個々の家の庭は立派になりました。花や木の種類もずいぶん増えて、ひと昔前には無かったような色や形も見られます。 そして、ガーデニングをする人達の情報交流も盛んとなり、新たなコミュニティも生まれているようです。しかし、いま一つ自分の土地から外に広がっていない感じがします。道路や公園は地域にとっての共有の庭であり、個々の部分と共有の部分が美しくなってこそはじめて全体が美しくなるのです。美しく楽しい庭を作っている人々には、「2」もっと欲張って美しく楽しいまちを作ってほしいと思います。 「愛でる」という言葉があります。これは主に植物に対して使われます。満開の桜や初夏の新緑、真夏の木陰や秋の紅葉・・・。私たちは折々に木々を眺め、そこに日々の暮らしを重ね合わせたり、育ちゆく木々に子供達の明るい未来を願ったりしているのではないでしょうか。そしてそんな思いをこめて水やりや手入れをする。これが「愛でる」ということだと思うのです。その愛でる心と愛でられる木々があってはじめてよいまちとなるのです。 (加藤美浩『まちづくりのススメ』による) 1. 筆者によると、まちの樹木の大きな役割とは何か。 人々に木が身近な存在であることを意識させる。 人々に未来都市的なイメージを与える。 人々を現実の煩わしさから逃れさせる。 人々を落ち着いた気持ちにさせる。 2. 「1」それとはどういうことか。 その土地に暮らす人々の好みに合わせた樹木を植えること その土地の特性と人々の暮らしを考慮し、樹木を植えること その土地の歴史的な樹木を大切にし、保存すること その土地の季節の移ろいを感じさせる樹木を大切にすること 3. 「2」もっと欲張ってとあるが、筆者の気持ちと合うものはどれか。 自分の好みだけではなく、まち全体との調和も考えてほしい。 ガーデニングをする人達同士で、もっと情報交換をしてほしい。 個々の庭の花や木が、さらに美しく育つようにしてほしい。 個々の庭よりも、まちの共有の部分のほうに力を入れてほしい。 4. 筆者の考えに合うのはどれか。 人々がまちの木々を愛でることで、子供達が自然に関心を持つようになる。 人々がまちの木々を愛でることが、よいまちづくりにつながる。 人々がまちの木々の手入れを怠らなければ、よいまちになる。 人々が季節による木々の変化に関心を持つことで、愛でる心が生まれる。 問題2 職業として芸術家や学者、あるいは創造にかかわるひとびととは生涯コドモとしての部分がその作品をつくる。その部分の水分が蒸発せぬよう心がけねばならないが、このことは生活人のすべてに通じることである。万人にとって感動のある人生を送るためには、自分のなかのコドモを蒸発させてはならない。 じつをいうと、この世のたいていの職業は、オトナの部分で成立している。とくに法律や経理のビジネスの分野はそうである。ところが、うれしいことに、そういう職業人のなかに豊潤な鑑賞家や趣味人が多い。 (司馬遼太郎『風塵抄』による) 5. うれしいことにとあるが、何がうれしいのか。 この世のたいていの職業は、コドモの部分も必要としていること コドモの部分で成立している職業の人は、感動のある人生を送れること コドモの部分を持っていれば、オトナの部分で成立している職業に就けること オトナの部分で成立している職業の人でも、コドモの部分を持ち続けていること 問題3 アルリカ・サハラ砂漠に生息するアリの一種は、巣から餌を探しに出掛けた後、帰るのに、太陽の光のほか、歩数を手掛かりにしている可能性が高いことが分かった。ドイツ・ウルム大などの研究チ-ムが二日までに米科学誌サイエンスに発表した。ただ、この体内「歩数計」詳しい仕組みはまだ分からないという。 学名が「カタグリフィス・フォルティス」と呼ばれるこのアリは、帰巣の際、来た道筋をうねうねとたどって戻るのではなく、巣に直行することが知られる。 周囲に目印がない砂漠で、方向は太陽光に頼るとしても、「______」が謎だった。 (日本経済新聞2006年7月3日付朝刊による) 6. 「______」に入る最も適当なものはどれか。 帰巣行動と太陽光の関係 体内「歩数計」の詳しい仕組み どうやって距離をつかんでいるか どのような方法で餌を探しているか Answer Key: Question 1: 4 ( 筆者によると、まちの樹木の大きな役割とは何か。=> 人々を落ち着いた気持ちにさせる。) Question 2: 2 (「1」それとはどういうことか。=> その土地の特性と人々の暮らしを考慮し、樹木を植えること ) Question 3: 1 (「2」もっと欲張ってとあるが、筆者の気持ちと合うものはどれか。=> 自分の好みだけではなく、まち全体との調和も考えてほしい。) Question 4: 2 ( 筆者の考えに合うのはどれか。=> 人々がまちの木々を愛でることが、よいまちづくりにつながる。) Question 5: 4 ( うれしいことにとあるが、何がうれしいのか。=> オトナの部分で成立している職業の人でも、コドモの部分を持ち続けていること ) Question 6: 3 (「______」に入る最も適当なものはどれか。=> どうやって距離をつかんでいるか ) ---------------- https://japanesetest4you.com/jlpt-n1-reading-exercise-18/ 問題1 A 生態系保全では、そこに生息する生物のことを考慮するが、生態系を構成するすべての生物を等しく扱うことはできない。なぜなら、一部の生物を守ろうとすると、必ず不利益を被る生物が生じるからである。すなわち、われわれ人間が何をしても、それによって利益を得る生物と不利益を受けるものが生じることになる。そうなると、生態系 を保全する目的で、何らかの活動をするということは、一部の生物種に利益を与えるということになる。 (中略) 唯一われわれが言えることは、われわれが人類であるから、「地球生態系は人類が健全に生きていくためにある」ということである。すなわち、「生態系は人類のため」なのである。言い換えれば、人類に利益を与えてくれる生態系を保全すべきなのである。 (花里孝幸『自然はそんなにヤワじやない一誤解だらけの生態系』による) B 保全生物学の核となる概念である生物多様性は種の存続によって維持される。した がって、保全生物学では、希少種や減少過程にある個体群の保全に関する知識と方法が一つの重要な課題である。 (中略) しかし、個別の種をそれぞれ保護することは非常に困難である。一つの生態系をとっても、微生物から植物、昆虫、哺乳動物など多くの種が生存しているが、それらの全ての生態を把握して保護することは不可能に近い。さらに、未分類の種や種レベル以下の遺伝的多様性は、個別の種を保護する方法では逆に保護されなくなってしまう恐れがある。そこで、多様な生物の相互関係を含む自然をそのまま保全することが重要になってくる。つまり、生態系を保全することで、そこに含まれる全ての生物を保護するという考えている。 1. 生態系を構成する生物の保護について、AとBの文章で共通して述べられていることは何か。 多様な生物を含む自然全体を保護することが重要である。 多様な生物種を一様に保護していくことは非常に難しい。 生物種を分類して保護することは生物間の差別につながる。 人類に利益を与える生物を保護するべきである。 2. 保護すべき対象について、AとBはどのように考えているか。 Aは地球生態系を、Bは遺伝的多様性のある種を保護すべきだと考えている。 Aは生態系の全生物を、Bは希少価値のある生物を保護すべきだと考えている。 Aは人類に利益を与える生物種を、Bは個別の種を保護すべきだと考えている。 Aは人類のためにな生態系を、Bは生態系全体を保護すべきだと考えている。 問題2 「1」僕はかたよっている。何がかというと、たとえば映画が観たいと思うと何本も立て続けて見る。観るのではなく、見るというのがふさわしい。本も読む時間がなくてイライラしてくると、バカ買いして本を眺めている。読むのではなく、眺めている。友達と会いたいと思うと、何人にも電話をする。会ってる時間がないのに約束しようとする。肉を食べ過ぎていると思ったら半年食べなかった。白菜がうまいと思ったら毎日食べてたときもある。車が運転したくなって夜中に河口湖周辺まで行った。なぜか僕はかたよっていて、ちょうどいい感じということを知らない気がする。つくづくバランスが悪いと思う。 「___2___」最近ひとつだけうれしく思ったことがある。かたよってるからこそいまの自分があると痛感したのだ。確かに音楽の仕事にしろ、小説を書くことにしろ、偏向した性格でなければ続かなかった。しかしそれよりも、いつまでも壊れてしまったがらくたを捨てられないでいる自分が急に好きになったのだ。捨てずに置いてあるものが残っていたことがうれしかったのではない。捨てられないでいる自分の心が好きになったのである。 僕の胸の中に壊れてしまったハ-トがある。それを抱えたまま生きている。捨ててしまった方が荷物は軽くなるのに、いつまでも抱えている。 壊れたハ-トでこれからも歩いていく。 (須藤晃「みんなノイズを聴きたがる」によるによる) 3. 「1」僕はかたよっているとあるが、それはどういうことか。 興味が持てるのは、映画しかないということ 不必要なものでも、何も捨てられないということ イライラしてくると、本しか読めないということ 一度興味を持つと、それをやり過ぎてしまうということ 4. 「___2___」に入る最も適当なことばはどれか。 それで つまり だから ところが 5. 筆者は自分自身について現在はどう思っているか。 かたよった性格だからこそ、今の自分や仕事がある。 かたよった性格を抱えたままでは、今の仕事は続けられない。 かたよった性格のおかげで、今までとは違う自分が好きになった。 かたよった性格を直せないからこそ、今の自分を認めざるをえない。 問題3 誰にとっても、感情とどう付き合うかということはなかなか厄介な問題である。感情とうまく付き合うと言うことは、単に社会的場面での感情表現をうまくコントロールするということではない。むしろ、感情の豊かさや複雑さを通して、またしばしば測りがたく統御しがたい感情の動きを通して、生きることを味わい、人生を活性化しながら、しかも感情の力に支配されないということであろう。 (井上俊・船津衛編『自分と他者の社会学』による) 6. 感情との付き合い方について、筆者はどうすればよいと述べているか。 感情と深く関わりながらも、感情に縛られないようにする。 感情を無理にコントロールせずに、感情に任せるようにする。 感情をコントロールして、感情に流されないようにする。 感情を隠すことも、強く表現することもないようにする。 Answer Key: Question 1: 2 ( 生態系を構成する生物の保護について、AとBの文章で共通して述べられていることは何か。=> 多様な生物種を一様に保護していくことは非常に難しい。) Question 2: 4 ( 保護すべき対象について、AとBはどのように考えているか。=> Aは人類のためにな生態系を、Bは生態系全体を保護すべきだと考えている。) Question 3: 4 (「1」僕はかたよっているとあるが、それはどういうことか。=> 一度興味を持つと、それをやり過ぎてしまうということ ) Question 4: 4 (「…2…」に入る最も適当なことばはどれか。=> ところが ) Question 5: 1 ( 筆者は自分自身について現在はどう思っているか。=> かたよった性格だからこそ、今の自分や仕事がある。) Question 6: 1 ( 感情との付き合い方について、筆者はどうすればよいと述べているか。=> 感情と深く関わりながらも、感情に縛られないようにする。) ------------- https://japanesetest4you.com/jlpt-n1-reading-exercise-19/ 教育の現場に携わるものとして「1」以前から気になることがあった。学生たちと何を議論していても、たいていだれかが「私はこう思うけれど、人それぞれ、いろいろな考えがあると思うし、それでいい」という趣旨の意見を述べ、そのとたん、議論が成り立たなくなることである。「人それぞれ」で「何でもあり」となれば、社会問題の大半が個人の好みと選択の問題に矮小化されてしまう。ゼミでは「2」「人それぞれ」を禁句にするなどの対策をとってはみたものの、私は学生の間に蔓延する個人志向的考え方にきちんと対峙できずにいた。そのようなとき、ある授業で学生たちが書いたリポートを読んで、頭を殴られたようなショックを受けた。 このところ過失とはとうてい思えないような悲惨な交通事故のニュースが相次いでいる。そこで交通事故や被害者の人権について、これから免許を取得する若い人に考えてもらいたくて、二木雄策氏の『交通死』という本の読書リポートを課した。大学生だった二木氏のお嬢さんは、自転車で交差点を横断中、赤信号を無視して突入してきた自動車にはねられて亡くなった。加害者の女性は執行猶予付きの判決で刑務所に入ることもなく、また、損害賠償の交渉も支払いも保険会社が代行した。 加害者の信号無視で被害者は命を奪われたのに、加害者は(少なくとも形の上では)以前と変わらぬ生活を送ることができるのだ。加害者に手厚い現行の諸制度は、「3」人の命よりも車(イコール企業)を重んじる社会だとの著者の主張には説得力があると私は思っていた。 ところが少なからぬ学生の反応は予想をしないものだった。「加害者がかわいそう」だ と言うのである。被害者の立場からの主張のみが述べられているのは「客観性に欠ける」という。私は「4」頭を抱えてしまった。二木氏の文章は、娘を失った父親の沈痛な思いがせつせつと伝わってくるものの、決して激情に駆られて書かれたものではない。むしろよくここまで冷静に書けるものだと感心するくらいなのだ。 もちろん加害者には加害者の人生がある。しかし学生たちは、その人生に豊かな社会的想像力を働かせるわけでもなく、単に、被害者側の見解だけでは一方的だと主張する。杓子定規に客観的・中立的立場を求めなければいけないと思いこんでいるようなのだ。まるで立場の異なる二者の間で意見の対立が見られた場合には、足して二で割ればちょうどよいとでも言わんばかりに。 なぜ学生たちは、加害者と被害者の対立図式にこだわり、著者が訴える問題の社会的広がりに気づかないのか。もどかしい思いでリポートを読むうちに合点がいった。例の「人それぞれ」である。 あらゆる意見が私的なものであれば、娘の交通事故死を経験して「くるま社会」の異常さを訴える父親の主張も一つの個人的立場に過ぎず、その意味では加害者の立場と等価なのだ。主張の対立のなかから、あるべき社会の姿を模索する努力を放棄したとき、社会正義は足して二で割るというような手続き上の公平さに求めざるを得ない。 (小笠原祐子「『何でもあり個人主義』の退廃」2000年7月11日付朝日新聞朝刊による) せつせつと:人の心を動かすほど強く もどかしい:思うようにならなくてイライラする 合点がいく:意味がよく分かる 1. 筆者は学生について「1」以前から気になることがあったとしているが、それはどのようなことか。 自分とは考えの違う人の意見を無視して議論を進めようとすること 正しい結論にまとめるために、たくさんの人の意見を聞きすぎること いろいろな意見を出し合うが、お互いが理解しているか気にしないこと それぞれが自分の意見を言うが、一つの結論を導く姿勢を持たないこと 2. 筆者はなぜゼミで「2」『人それぞれ』を禁句にしたのか。 一人一人の考え方や好みが違うということを学生たちに認識させるため それぞれが自分の選んだ社会問題を議論したいと思っても一度にできないため 個人的な問題は社会問題と比べたら小さいもので、議論するものではないため 個人の考え方の違いで済ませるのでなく、社会全体のことを考えて議論するため 3. 二木氏のお嬢さんをはねた車を運転していた人の事故後の状況について、正しいものはどれか。 刑務所には入らず、賠償金は保険会社を通して支払われた。 事故後すぐ相手にお金を払ったので、刑務所には入らなかった。 事故後すぐは、前と同じ生活ができたが、後で刑務所に入った。 刑務所には入ったが、賠償金を支払ったので、すぐに出られた。 4. 二木氏が「3」人の命よりも車(イコール企業)を重んじる社会だと主張する根拠は何か。 交通事故で被害者が亡くなっても、加害者がそれに合った罰を受けないこと 社会の人々が、交通事故の被害者より加害者に同情するという傾向があること 今の制度は、加害者の生活より加害者の会社のことを考えた制度だということ 保険会社は、人が亡くなっても、車の損害分しかお金を支払ってくれないこと 5. 筆者が「4」頭を抱えてしまったのは、なぜか。 学生たちが被害者よりも、悪質な交通事故を起こした加害者の方が正しいとして同情しているから 学生たちが、被害者の主張を十分に理解せずに、ただ客観的であることが大切だと考えているから 娘を亡くした二木氏に同情し、客観的判断をしていなかったことに、学生たちが気付かせてくれたから 被害者の立場だけを考えるのは社会正義から考えて正しくないということを、学生たちが、気付かせてくれたから 6. 筆者の解釈では、学生たちはどのような意見を持っているか。 学生たちは、加害者の立場よりも被害者の立場をもっと重んじるべきだと考えている。 学生たちは、意見を述べるときには、私的に述べるのではなく、社会正義を考えるべきだと考えている。 学生たちは、被害者も加害者も一人の人間であり、それぞれの立場から平等に主張してよいと考えている。 学生たちは、被害者、加害者の意見を聞いた上で、社会のあるべき姿から考えて、加害者に罪を償わせるべきだと考えている。 7. この文章の後に続く筆者の主張として、最も適当なものはどれか。 社会正義を重んじるあまり、戦後広がった個人主義を批判し、個人の権利を否定するのはやめるべきである。 人はそれぞれ違うということを認識し、それぞれの人の立場、考えを尊重して、無理に議論で結論を出すべきではない。 個人の権利が尊重され、価値観が多様化した社会の中で、自分の意見を他人に理解してもらう努力をもっとするべきである。 個人の権利の尊重が強調されがちであるが、異なる立場の人々の意見に耳を傾けながら、もっと議論を高める努力をするべきである。 Answer Key: Question 1: 4 ( 筆者は学生について「1」以前から気になることがあったとしているが、それはどのようなことか。=> それぞれが自分の意見を言うが、一つの結論を導く姿勢を持たないこと ) Question 2: 4 ( 筆者はなぜゼミで「2」『人それぞれ』を禁句にしたのか。=> 個人の考え方の違いで済ませるのでなく、社会全体のことを考えて議論するため ) Question 3: 1 ( 二木氏のお嬢さんをはねた車を運転していた人の事故後の状況について、正しいものはどれか。=> 刑務所には入らず、賠償金は保険会社を通して支払われた。) Question 4: 1 ( 二木氏が「3」人の命よりも車(イコール企業)を重んじる社会だと主張する根拠は何か。=> 交通事故で被害者が亡くなっても、加害者がそれに合った罰を受けないこと ) Question 5: 2 ( 筆者が「4」頭を抱えてしまったのは、なぜか。=> 学生たちが、被害者の主張を十分に理解せずに、ただ客観的であることが大切だと考えているから ) Question 6: 3 ( 筆者の解釈では、学生たちはどのような意見を持っているか。=> 学生たちは、被害者も加害者も一人の人間であり、それぞれの立場から平等に主張してよいと考えている。) Question 7: 4 ( この文章の後に続く筆者の主張として、最も適当なものはどれか。=> 個人の権利の尊重が強調されがちであるが、異なる立場の人々の意見に耳を傾けながら、もっと議論を高める努力をするべきである。) --------------------- https://japanesetest4you.com/jlpt-n1-reading-exercise-20/ 問題1 無駄なものを早めに見極め、優先度をつけ、いかにスピーディに仕事をこなしていくか。それが賢く成果を出す方法だ。目の前の先輩たちも、そうやって働いている人も多いのではないかと思います。 でも、そうした人たちの問題点は、仕事の判断軸が自分になるということです。結局自分が効率的に働けるか、自分が求められている仕事量を時間内にこなせるかが最大の判断軸になっていくのです。 すると、できる範囲のこと、無理のないことに収まっていってしまうのです。 (高橋『「上司がさっぱりわかってくれない」と思っているあなたへ』による) 1. この文章で筆者が言いたいことは何か。 無駄を見極められなければ、自分に求められている仕事をこなせなくなる。 成果を出すことばかりを考えていると、自分の基準を人にも求めるようになる。 効率性を重視しすぎると、自分が求められている仕事が分からなくなる。 効率的に働くことばかりを考えていると、自分にできる仕事しかしなくなる。 問題2 いままで、盛んに「学力」という言葉を使ってきたが、「学力」とは何であろうか。私たちが身近に使っている「学力」という言葉は、驚くなかれ、外国語に翻訳できないのである。それは、学習してどこまで到達したかという、学んだ成果を示す「学力」のほかに、学ぶ力という意味での「学力」があり、この両者が一体となって、わが国では「学力」という言葉をかたちづくってきたからである。したがって、ひとくちに「学力低下」というときに、どちらの学力が低下しているのかをきちんとしておかないとしておかないと、誤解が生じることになる。大学関係者の多くが指摘する「学力低下」は、単なる知識の量が足りないという学んだ成果を示す「学力」の低下ではない。どうして学んだらよいか分からない、マニュアル通りにしかできない、という学ぶ力としての「学力」の大幅な低下を問題として、現状を憂えているのである。 2. 「現状 」とあるが、学力についての現状の問題と合っているものはどれか。 知識の量が少ない学生が多い。 学び方が分からない学生が多い。 学生は「学力」の意味を誤解している。 大学関係者は「学力」の意味を誤解している。 3. 筆者の考える「学力」とは何か。 学習して身につけた知識の量 外国語学習における知識と学ぶ力 学んだ成果と学ぶ力とを合わせたもの どのようにして学んだらよいかを考えるカ 問題3 市場の製品のほとんどに何らかのマークが付いています。それに気づく人は少数であり、その意味を知ろうとする人はさらに少数でしょう。見方によればこれは「1」市場の健全さの表れです。製品が満足なもので取引がスムーズなら問題は起こらないでしょう。しかし、中には使用者に損害を与えたり危険にさらしたりする製品もあるのが現実です。 成熟した社会では、公共の利益に反する製品を市場から排除するために様々な仕組みと手段が使われていますが、製品に付けられている「適合マーク」もその一つです。これは製品が何らかの基準に適合していることの証明であり、製品の供給者から購入者および使用者に情報を伝える手段です。適合マークは、業者間の取引における要件として、また、消費者の購入判断を助ける手段として古くから使われてきましたが、それらは主に地域社会のツールであり、意味や使い方は地域社会のルールでした。 この事情は1980年代に一変します。市場のグローバル化により、見知らぬマークを付けた外国製品が各国の市場に溢れたからです。 適合マークが「2」本来の機能を果たすには、そのマークが多数の人々に認知され、意味が正しく理解されていることが必要です。また、マークが伝える情報の信頼性を支える適合性評価が適切に行われたことの証拠が必要です。そこで、ISO(国際標準化機構)は1996年に適合マークに関する検討グループを設置し、問題の分析と解決策の検討を開始しました。 (田中正躬監修・編著『氾濫するマークー多様化する認証』による) 4. 「1」市場の健全さの表れとあるが、何が健全さの表れか。 製品のマークに無関心な人が多いこと 製品のマークの意味を知らない人がいないこと 製品のほとんどにマークが付いていること 製品の質がマークによって保証されていること 5. 「2」本来の機能とあるが、どのような機能か。 製品の不具合や問題点が解決されていることを証明する。 外国製品と自国の製品とを区別するための情報を与える。 消費者の購入意欲を高めるとともに、地域社会の経済を支える。 消費者に安心できる製品であることを伝え、公共の利益を守る。 6. 適合マークについて、検討が必要になったきっかけは何だと筆者は述べているか。 外国製品に対する消費者の関心が高まったこと 各国の適合性評価への信頼性が失われていったこと 各国の適合マークが混在して理解しにくくなったこと 適合マークが付いていない外国製品が流通し始めたこと Answer Key: Question 1: 4 ( この文章で筆者が言いたいことは何か。=> 効率的に働くことばかりを考えていると、自分にできる仕事しかしなくなる。) Question 2: 2 ( 「現状 」とあるが、学力についての現状の問題と合っているものはどれか。=> 学び方が分からない学生が多い。) Question 3: 3 ( 筆者の考える「学力」とは何か。=> 学んだ成果と学ぶ力とを合わせたもの ) Question 4: 1 (「1」市場の健全さの表れとあるが、何が健全さの表れか。=> 製品のマークに無関心な人が多いこと ) Question 5: 4 (「2」本来の機能とあるが、どのような機能か。=> 消費者に安心できる製品であることを伝え、公共の利益を守る。) Question 6: 3 ( 適合マークについて、検討が必要になったきっかけは何だと筆者は述べているか。=> 各国の適合マークが混在して理解しにくくなったこと ) |