| 問題Ⅲ 次の(1)から(6)の文章を読んで、それぞれの問いに対する答えとして最も適当なものを1,2,3,4から一つ選びなさい。 |
| |
|
(1) 野口英世(1876~1928)は、黄熱病の研究で有名な学者である。苦労して医学の勉強をしたが、有名な大学を出ていなかったため、当時の日本ではいい仕事が得られなかった。そこで、彼は可能性を求めてアメリカに留学した。アメリカでは研究が認められ、博士号を受け、ロックフェラー医学研究所の研究員になることができた。野口英世は日本で生まれて育ったが、彼を一流の研究者に育てたのは、自由なアメリカの医学界である。日本人は野口英世を日本の医学者と考えているが、アメリカ人は彼をアメリカの医学者と考えている。
|
|
|
|
|
|
|
(2) 10年前のことですが、そのころ少学校1年生だった娘が帰宅し、おやつを食べながら「私のお母さんって何もしていない人でしょう」と可愛い口元を動かしながら言いました。社会(注1)の「働く人々」という単元(注2)で、親の仕事について勉強したらしいのです。ショックでした。結婚以来、体力的に家庭と仕事の両立は難しいと思い、ずっと専門主婦(注3)として家を守ってきたのに、幼い娘によって主婦という立場は「働く人々」の中には入れてもらえなかったのです。
(こ菊委久子「娘の一言」私立学校教職員共済組合「いのち ちょっといい話」による)
|
(注1)社会:小学校の科目の一つ (注2)単元:科目の内容
(注3)専門主婦:職業をもっていない主婦 |
|
|
|
|
|
|
(3)
日本の家族はどのくたい個室(注1)を持っているだろうか。下のグラフを見てわかるように、個室を持っている割合は母親がもっとも低く、6部屋以上の世帯でも20%を超える程度で、子どもの4分の1にしかならない。子どもの場合は、2部屋の世帯(注2)でも50%以上、3部屋以上の世帯ではほとんどが自分の部屋を持っており、家庭生活が子ども中心であることがわかる。父親の場合は母親よりも多いが、4部屋世帯で20%、6部屋以上の世帯でもやっと40%を超える程度で、子どもに比べるとかなり低い。
|
(注1)個室:自分だけの部屋 (注2)2部屋の世帯:台所とお風呂のほかに2つ部屋のある家 |
|
|
|
|
|
|
(4)島に住んでいる動物と大陸に住んでいる動物とでは、サイズに違いが見られる。典型的なものはゾウで、島に隔離されたゾウは、世代を重ねるうちに、どんどん小形化していった。島というところは、大陸に比べ食物量も少ないし、そもそもの面積も狭いのだから、動物の方もそれにあわせてミニサイズになっていくのは、なんとなくわかる気がするが、話はそう単純ではない。ネズミやウサギのようなサイズの小さいものを見てみると、これらは逆に島では大きくなっていく。 (本川達雄「ゾウの時間ネズミの時間」中央公論社による)
|
|
(注)サイズ:大きさ
|
|
|
|
|
|
|
(5) 休むというのはどういうことであるか、それがよく分からない。よく分からないからうまく休めないのかという気もするのだが、このあいだも、ある仕事が一っ切りついて、普通ならさあ一休みというところだが、例によってどう休んでいいか分からない。手当り次第に本や雑誌を読んでいるうちに一日が経ってしまって、そして休んだという満足感どころか、なにやら無駄をしたという空しい気持ちが残るばかり。いつもこういうふうであう。
(木下順二「休息について」「群像」1989年12月号講談社による)
|
|
(注)一っ切りつく:部分的に終わること |
|
|
|
|
|
|
(6) ところで、保険とはなんでしょうか。人は事故や病気で、いつ死ぬかもしれません。(中略)こういう不幸は、偶然で、起こるかもしれないし、起こらずにすむかもしれません。ただ、不幸にあう人は、ひじょうに少ないことはたしかです。「不幸にあうかもしれない」と思う人がたくさん集まって、①そのときにそなえて、少しずつお金を出しあえば、おおきな額になります。「ちりもつもれば山となる」です。その大部分の人は不幸にあわずにすみますから、不幸にあったわずかな人は、ほかの人たちが払ってきたまとまったお金をもらえる、というのが②保険の基本的な考え方です。
(牧田正一路「おかねと社会のしくみ」国土社による)
|
|
|
|
|
|