| 問題Ⅲ 次の(1)から(5)の文章を読んで、それぞれの問いに対する答えとして最も適当なものを1・2・3・4から一つ選びなさい。 |
(1) 私は学生たちに時間の活用法について、「テレビを見ているときコマーシャルの間に大急ぎで何かやる、あの瞬発力(注1)を思い出せ」と教えている。30秒か1分の間にトイレに駆け込んだり、冷蔵庫を開けて何か食べものを取り出したり、われわれは敏捷
(注2)に行動する。あの要領で物事を処理すれば、相当沢山の仕事ができるものなのだ。また、頭
をそういう風に使うことによって、錆びつきがちな脳に刺激を与えるよすが(注3)にもなる。 それをもう少し延長して5分間仕事をいつも幾つか持っていることも大事だ。馴れれ
ば人を待つ5分間で葉書1枚くらい書くことができる。手帳を開いてスケジュールのチェックをしたり、ショッピングリストを作ったり、いろいろなことが5分間で果たせる。
だいたい、そういうハンパな時間は雑草(注4)のようなもので、気がつかないうちに、はぴこって(注5)しまう。
(中略) 無駄なく使えば、それだけ入生は豊かになる。
(板坂元「ちょっと小粋な話IPHP研究所による) (注1)瞬発力:瞬間的に起こる力 (注2)敏捷に:すばやく (注3)よすが:助け (注4)雑草:農作物、草花などの生長をじゃまする草
(注5)はびこる:いっぱいに広がる
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(2)いままで、盛んに「学力」という言葉を使ってきたが、「学力」とは何であろうか。私たちが身近に使っている「学力」という言葉は、驚くなかれ(注1)、外国語に翻訳できないのである。それは、学習してどこまで到達したかという、学んだ成果を示す「学力」のほかに、学ぶ力という意味での「学力」があり、この両者が一体となって、わが国では「学力」という言葉をかたちづくってきたからである。したがって、ひとくちに「学力低下」というときに、どちらの学力が低下しているのかをきちんとしておかないとしておかないと、、誤解が生じることになる。大学関係者の多くが指摘する「学力低下」は、単なる知識の量が足りないという学んだ成果を示す「学力」の低下ではない。どうして学んだらよいか分からない、マニュアル(注2)通りにしかできない、という学ぶ力としての「学力」の大
幅な低下を問題として、 現状 を憂えて(注3)いるのである。
(上野健爾「『学力低下』とは何か」「学力があぶない』岩波書店による)
(注1)~なかれ:~てはいけない (注2)マニュアル:説明書 (注3)憂える:悪い結果になるのではないかと心配する
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(3)私は自分が考えているということを自覚しているので、人というのはみんなこのように考えているものなのだと、つい思ってしまいがちである。私が考えているように、すべての人も考えているものなのだと。
しかし、どうやら、そうではない。どころか(注)、考えている人など滅多にいない。年齢と経験を重ねるほどに、この事実をいたく思い知るのである。私にとって当たり前すぎることが、他の人にとっていかに当たり前のことでなかったか。
(池田晶子「わが闘争」「本の旅人』2002年1月号角川書店による)(注)どころか:それどころか
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(4) どのように人智(注1)が進んで、コンピューター万能の会社が 来ようとも、水を含んだ土の中から一粒の種が発芽する、と
いうこと以上の神秘があるだろうが。 家庭の中にパソコン・ゲームがはいりこみ、コンピューター・ ウイルスが世界政治の機構の中に、虫食べいのように侵入する
時代となったけれども、それよりも①日常気付かぬ神秘は、人
の手が加わらなかった大地に、有史(注2)以前から種子(注3)が落ち続 けて、今日まで満ち満ちてきた生命の世界である。
それなのに今わたしたちは、親が生きていた間、親のこと がわからなかったように、足下の大地、ものみなも母胎(注4)の
状態について感度がにぶなった。②なにかがおそろしく退化 しつつあるのではないか。 |
(石牟礼道子「形見の声一母層としての風土』筑摩書房による) (注1)人智:人間の知恵 (注2)有史:文献によって記録が残されている時代 (注3)種子:種 (注4)母胎:母親の体の中
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(5)下のグラフは、「進学の最終目標をどこまでと考えているか」という質問に対する日本の高校生の答、えを、1982年から2002年まで10年ごとにまとめたものである。なお、
1982年の調査では大学と大学院を分けなかったが、1992年と2002年の調査では分けて聞いた。 わからない、無回答 専門学校、 短大、 大学・まだ決めて高校各種学校高専大学院いない
1982年 27%16% 13% 39%32大学大学院1992年 241511 45 32 1大学 大学院2002年18 17847 641
(NHK放送文化研究所編「放送研究と調査』2002年12月号日本放送出版協会による)
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