ÈÇÓ×ÅÍÈÅ ßÇÛÊΠ- ßÏÎÍÑÊÈÉ
STUDY LANGUAGES - JAPANESE

8. JLPT


Menu JLPT / 1992: JLPT-1 (N2-N1)
Japanese language proficiency test
009 - Task 1
Grammar and Reading

 
問題Ⅰ 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1・2・3・4から最も適当なものを一つ選びなさい。
人間が環境に適応してうまく生きていくためには、子どもにしろ、学生にしろ、あるいはま た社会人にしても、さらに一家の主婦でも一国の総理大臣でも、自分のおかれた状況を意識し、その中での自身の立場をよく知り、考え、それによって今どのように行動したらよいかを正しく 判断することがもとめられます。この場合に動員される精神機能が、知能です。したがって知能には、直感とかひらめきのような瞬間的に心に浮かぶ判断力から、瞬間的にはわからないが 長時間熟慮のすえにようやく一つの判断にたどりつく心の働きまで含まれることになります。
〔 ① 〕、心の働きのみちすじや精神活動の手続きを踏まない本能的行動や動物本来の反射的行動などは、知能とはいえません。たとえとして、野生のサルが食べ物をさがして食べる行動をみてみましょう。
 まず、サルが空腹をおぼえることは、動物本来の生理的感覚ですから知能ではありません。しかし、その空腹感によって食べ物を求めようとするとき、どこに食べ物がありそうかと考え、 そちらの方向へ移動をはじめようとするのはサルなりに判断が働きますから知能でしょう。ところで移動のさい、どの道を通ったら安全で効果的かの選択は知能によりますが、走ったり歩 いたりの筋肉運動自身は、機械的になされますから知能活動とはいえません。[ A ]
ともかくそのようにして、ある物体を目撃し、それが食べ物か否かの判断はサルの知能によります。つまり、サルはその物体を直感的にか仔細にかいずれにせよ観察して、それがやはり食べ物だと見ぬきます。そこで食べはじめるわけですが、元来ものを食べる行為は、無防備に なることですから、サルは安全に食べられる場所をさがさなければなりません。安全と思われる場所で食べはじめても、不意の外敵に襲われないよう絶えず周囲に気をくばっていなければ なりません。このような用心は〔 ④ 〕。[ B ]
一方、サルが食べ物をムシャムシャ食べるさい、食べ物を噛むことは機械的におこなわれ、同時に唾液が口中に出てくることも反射によるものですから知能とはいえません。じゅうぶん 噛んでから胃のほうへのみこむことも消化管の反射運動ですので知能ではありません。[ C 〕
さて、このようにサルで観察される知能的行動と反射的・本能的行動の絡みあいは、レベルに大きな差はあるものの、人間の場合にも原則として当てはまると思われます。つまり、人間では、サルとくらべて知能を必要とする事柄が圧倒的に多いのですが、日常生活が知能と反射・ 本能によって営まれていることは、サルも人間も共通ではないでしょうか。[ D ]
動物でもサルよりずっと進化の程度が低くなっていくと、その行動は知能によるものがだん だん減っていき、本能や反射に支配されるものが大部分となってきます。(中略)
端的な例ですが、アメーバの行動は、完全に周囲の状況に対する反射によっておこるのであ って、アメーバが、多少であっても知能を働かせて行動することがあるとは考えられません。いいかえれば、アメーバは、知能などなくても生きていかれるし、子孫も栄えているわけです。
                          (安藤春彦「知能とは何か』講談社による)
問(1)  第1段落(人間が環境に……含まれることになります。)では何を説明しているか。
     1.環境への適応について     2.知能について     3.直感について     4.心の働きについて  
問(2)  [  ①  ]に入れる言葉を次の中から選びなさい。
     1.これによって     2.この中で     3.これについて     4.これに対して  
問(3)  ②「野生のサルが食べ物をさがして食べる行動」とあるが、サルが食べ物をさがして食べるまでの行動の説明はどこまでか。その終わりの箇所を本文の[ A ] [ B ] [ C ] [ D ]から選びなさい。
     1.[ A ]       2.[ B ]       3.[ C ]       4.[ D ]  
問(4)  ③「それ」は何を指しているか。
     1.その本能     2.そのサル     3.その物体     4.その直感  
問(5)  [ ④ ]にはどんな文を入れるのが適当か。
     1.知能とみるべきでしょう。
     2.知能とはいえないでしょう。
     3.サルの行動ではないでしょう。
     4.サルにしかみられないでしょう。
  
問(6)  ⑤「レベルに大きな差はあるものの」とあるが、これに最も近い内容のものは次のどれか。
     1.サルのほうが知能が高いと判断される場合も多くあるが
     2.他の動物は、サルよりずっと進化の程度が低いように見えるが
     3.サルの生活に知能は必要ないので、くらべるのは難しいが
     4. 知能を必要とする事柄は、サルより人間のほうがはるかに多いが
  
問(7)  本文の内容から考えて、次のうち「知能」と呼べるものはどれか。
     1.食べ物を食べたいと思う 
     2.食べ物かどうか見ぬく
     3.食べ物に近づくとき足を使う
     4. 食べ物を口の中で噛む
  
問(8)  筆者は、人間とサルはどんな点で同じだと言っているか。
     1.知能的行動と反射的・本能的行動によって生活しているという点で
     2.食べ物をさがして食べるまでの行動がよく似ているという点で
     3.どちらも、他の動物とくらべて知能が非常に高いという点で
     4.どちらも、機械的・反射的行動がほとんどないという点で