Menu JLPT / 1991: JLPT-2 (N3-N2)
Japanese language proficiency test
010 - Task 2
Grammar and Reading

 
問題Ⅱ 次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい、答えは、1234から最も適当なものを一つ選びなさい。
 
 おじさんの中学生のときはどうだったろう。
 いたずら好きのAと仲良しだったときがある?野球のうまいBや、頭のいいCや、家が貧しい(まずしい)けれどマジメなDと仲良しだったときもある。でも、クラスが変わるたびに友だちが変わっていき、中学の三年間を通じて一人の友だちと深くつきあうことはなかった。Dとは夏休みにいっしょにアルバイトをやったりして「親友」みたいだったのに、いつの間にかつきあわなくなっている。
 これは、だれでもそうじゃないかと思うんだ。友だちは変わってゆく。その場かぎりのつきあいといえばいえなくはないけど、自分の求めているものが変わってゆくから、相手を自然に変えてゆくのだと思う。
 おじさんの場合、いたずら好きのAと仲良しだったときは、おじさんもいたずらがしたかった。いたずらをして気持ちがスカッとすることを求めていた。でも、いたずらではほんとうに気持ちがスカッとしないことにやがて気づいて、Aとつきあわなくなった。BやCやDについても、そのときどきにおじさんが求めていたものを、彼らがあたえてくれたんだね。意識したわけじゃないけど、そのときの自分の益のなる相手を求めて、つきあう相手がおのず(注意1)と変わっていったのだと思う。だからといって、こうした相手を「友だち」と呼べないかというと、そうではないんだね。
 利己的(りこてき)のようだけれど、「友だち」というのは自分に「益」になる相手のことなんだ。その相手とつきあうことで自分が「得」をする。しかし、その「益」なり「得」なりの中身が問題なんだね。(中略)
 たった一度しかあわなくても、その影響が人生にすばらしく作用すれば、これは立派な「友だち」だ。実際には会わなくたって、たとえばその人のことをテレビで観たり本で読んだりしただけで、すばらしい影響を受けたら、これは「友だち」なんだね。
 もっとも実際に会わなければ、厳密(げんみつ)には「友だち」とはいえないけれど、生きる上で心に影響を受ける相手とはそう何人も出会えるものではないことも、おじさんの経験から言える。
 しかし、自身がそれを求める心構え(こころがまえ)でいなかったら、中学生のときはおろか、一生「友だち」には出会えないだろう。
注意1:自ずから おのずから onozukara - naturally, as a matter of course
 
問(9   ①「中学の三年間を通じて一人の友だちを深くつきあうことはなかった」とあるが、それはなぜか。

 1.野球がきらいだったから。
 2.夏休みにアルバイトをしたから。
 3.よくけんかをしたから。
 4.求めるものが変わったから。
  
問(10  ②「これ」は何を指しているか。

 1.夏休みにアルバイトをすること
 2.いたずらが好きなこと
 3.友だちが変わること
 4.友達が多いこと
  
問(11  だれが③「相手を自然に変えてゆく」のか。

 1.だれか
 2.だれでも
 3.友だち
 4.親友
  
問(12  ④「こうした相手」とはこの場合どんな相手のことか?

 1.いつも 自分の利益になる相手
 2.中学時代に 自分の利益になる相手
 3.そのときどきに 自分の利益になる相手
 4.大人になってからも 自分の利益になる相手
  
問(13  ⑤「これは立派な『友だち』だ」とあるが、この場合どんな意味か。

 1.友たちになったほうがよい
 2.友だちといってよい
 3.友だちといってはいけない
 4.友だちにならなくてもよい
  
問(14  ⑥「君」とはだれのことを考えられるか。

 1.中学生たち
 2.中学生の親たち
 3.筆者の昔の友だち
 4.おじさんの友だちだったA
  
問(15  この文章に出てくる「おじさん」とはだれのことか。

 1.筆者自身
 2.筆者のおじ
 3.中年の男性
 4.友だちのおじ
  
問(16  結論として筆者はどんな「友だち」を求めるべきだと言っているか。

 1.その場かぎりの友だち
 2.長くつきあっていける友だち
 3.経験的に助けてくれる友だち
 4.人生に影響をあたえてくれる友だち