(4) われわれの体にはふだん気がつかないような工夫が
たくさんひそんでいる。足の裏は何も感じないようにセットされているが、靴の中や靴下の中に1ミリの異物でもあると敏感なシステ
ムが作動する。ふだんはその敏感なシステムはオフ(注1)になっているのだ。オフにしておかないと、靴下
の感触をいつも感じてしまい、何もできなくなるからだ。
赤ちゃんの手のひらを強く押すと口が開く、などというのも、隠れたシステムである。これは手と口が密接な情報関係をもっていたこ
とを暗示する例で、大人になるにつれて①この関係が鈍化する。
しかし、もともと赤ちゃんは何でも口に入れてモノの形を確認しているわけであって、それを大人たちが次々に制止するため、しだい
にそのような行為をしなくなっただけなのだ。ということは、われわれの②「内なる情報システム」の
どこかには、いまなお口と手が結びついているということである。緊張しすぎると口がカラカラ(注2)にな
り、手に汗がたまるというのは、その名残であろう。
(松岡正剛「情報・のツボ」1996年7月5日付朝日新聞夕刊による)
(注1)オフ:スイッチが入っていない状態
(注2)カラカラ:かわいているようす
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