Menu JLPT / 1998: JLPT-1 (N2-N1)
Japanese language proficiency test
011 - Task 3
Grammar and Reading

 
問題Ⅲ 次の(1)から(6)の文章を読んで、それぞれの問いに対する答えとして最も適当なものを1・2・3・4から一つ選びなさい。
 
(1) 百円玉の価値というものは、だれにとっても同じである。通常、ある人にとっては500円の価値を持っているのに、他の人にとっては20円の価値しか持たない百円玉は存在しない。だがここに、別の要素を加えると①話は違ってくる。
②オリンピック記念硬貨というものが発行されたことがある。この記念硬貨も、自動販売機に投入すれば、やはり百円の価値しか持たない。私自身は古銭(注1)の流通価格に関する知識を持たないが、しかしこれをコイン(注2)業者のところへ持っていくと150円で買ってくれたりする。コイン収集家なら、200円で譲ってくれと言うかもしれない。
 
(井上夢人「ハイパーテキスト小説への期待」 『日本語学』1997年6月号による)
(注1)古銭:昔のお金
(注2)コイン:硬貨
問(16)  ①「話は違ってくる」とは、ここではどういうことか。

1.百円玉が500円の価値を持つはずがないこと
2.百円玉の価値が500円から20円にさがること
3.百円玉の価値が100円ではなくなるということ
4.百円玉が500円の価値を持つと使えなくなること
  
問(17)  ②「オリンピック記念硬貨」とあるが、これはもともといくらの硬貨か。

1.100円
2.150円
3.200円
4.500円
  

(2) 五十代から先の人生は、住まいなくしては語れない、見通しが立たない。
「子どもがなんとかしてくれるだろう」
「夫(あるいは妻)が考えていてくれるはず」
これは、甘い人頼りだ。もっとひどいのになると、
「国、行政がなんとかしてくれる」
漠然と、(    )と思っている人が意外と多い。しかし、そんな都合のいい話は、どこにも転がっていない。誰も、なにもしてはくれない。自分の住まいは、
自分の生き方そのものなのだから、これは、自分で考えるしかないのだ。
 
 (佐橋慶女『気持ちよく生きる知的住居術』による)
問(18)  (    )に入る言い方として最も適当なものはどれか。

1.自分だけでなんでもできる
2.国、行政は自分と関係ない
3.誰かがなんとかしてくれる
4.誰かを頼ることはできない
  

(3) 香りや音楽から、ふと思い出がよみがえることがある。
私は仕事でよくインドネシアへ出かける。飛行場に着くと、"ちょうじ"という植物の甘い香料(注1)が入ったたばこの香りがする。街を歩いていても、この香りが満ちあふれている。だから、この香りは、私に「インドネシアにきたのだなあ」という実感をあたえてくれる。このたばこの香りをローマ空港でかぎ、むしょうに(注2)インドネシアが恋しくなったことがあった。
 
(田沼武能『未知の国 すばらしい人たち』による)
(注1)香料(こうりょう):食べ物や化粧品などにいいにおいをつけるために入れるもの
(注2)むしょうに:非常に、自分でもおさえられないくらいに
問(19)  筆者はなぜローマでインドネシアが恋しくなったのか。

1.仕事でよく行くインドネシアに思い出があるから
2.インドネシアでよくかぐたばこの香りがしたから
3.ローマにはインドネシアのたばこがないから
4.両方の地域とも街に香りがあふれているから
  

(4) 自然を相手にしていると、私たちのように気が長くなります。あせっても、どうしようもない。ところがみなさんは気が短くなりましたね。環境をこわす側も、逆に守る運動をする人たちも。自然が好きという、町の人がふえましたが、それでも「自然を見て」それだけでおしまい。自然の営み(注)がもつテンポとは全く縁のない接し方です。 
 
(吉良竜夫「余白を語る」1991年4月12日付朝日新聞夕刊による)
(注)営み(いとなみ):活動
 
問(20)  筆者がいちばん言いたいことは何か。

1.自然を相手にしていると気が長くなることも短くなることもある。
2.自然が好きで親しみたいという町の人が増えたことはいいことだ。
3.気が短い人は自然を好きになったり守ったりすることができない。
4.自然とつきあうには人間が自然の営みに合わせなければならない。
  

(5)次のグラフは三大都市圏の人口が全国の人口に占める割合を表したものです。3大都市圏の人口が全国の人口に占める割合
(国勢社『日本のすがた1998』、『1997/98年版日本国勢図会』による)
問(21)  グラフの説明として正しいものを選びなさい。

1.日本では、過去36年の間に都市の人口が増加した。1996年には、東京・大阪・名古屋を中心とする三大都市圏の人口が日本の人口に占める割合は23.7%と4分の1にもなっている。それは、1960年と比べ、約2倍となっている。

2.日本では、過去36年の問に都市の人口が増加した。1996年には、日本の全人口の40%以上が、東京・大阪・名古屋を中心とする三大都市圏に集中している。特に、東京を中心とした地域の人口の伸び率は大きく、三大都市圏の中で最大である。

3.日本では、過去36年の問に都市の人口が増加してはいるが、どの都市も同じというわけではない。東京・大阪・名古屋を中心とする三大都市圏の中でも、全人口に占める割合が10%以上減っている都市もある。

4.日本では、過去36年の間に都市の人口が増加してきた。中でも東京を中心とする都市圏の人口の伸び率は他と比べて大きく、その人口の伸び率は、大阪と名古屋を合わせた地域の伸び率と同じぐらいである。
  

(6)下のAからDは、それぞれア、イ、ウ、エのどこかに入る文です。
<image>
そういう考え方を一言でいうと、
「ユーザー(注1)中心のインタフェース」(注2)」。
 このキーワード(注3)を使えば、
 これを無視するメーカーや技術者は笑いモノになる。

A 使いにくい、わかりにくいというのは技術がわるい、使いやすくするのが技術の責任だ。
B 技術者たちがすべて支援(注4)すると称してあれこれ複雑なシステムを導入する。
C「こんなことができますよ、あんなこともできるようにしておきました、どんどん使ってください」という。
D 彼らが去ってしまうと、さあ大変、かんたんなことのはずなのに、さっぱりわからない。
 
(佐伯絆『新コンピュータと教育』による)
(注1)ユーザー:使う人
(注2)インタフェース:人間が容易にコンピュータを使えるようにするための仕組み
(注3)キーワード:問題の解決方法を示す重要なことば
(注4)支援(しえん)する:力を貸して助ける
問(22)  正しい組み合わせのものを選びなさい。

1.ア:B  イ:D  ウ:A  エ:C
2.ア:B  イ:C  ウ:D  エ:A
3.ア:C  イ:B  ウ:A  エ:D
4.ア:C  イ:A  ウ:D  エ:B